1.都市と農村

農村集落の土地利用コントロール

■知事指定地の運用実態
知事指定地は本来集落の独立性・自立性を維持するための開発を認めるという主旨であったが、現在集落には日常店舗等はほとんどなく、郊外店舗に依存している状態で、制度をつくった背景と現状が乖離している。 中出先生

■市街化区域の編入
長岡市では集落を維持するために、集落毎に市街化区域編入の要望を反映して、市街化区域を拡大していたが、今後は市街化区域編入のために農地を宅地化する仕組みを変え、調整区域において地区計画を立てた場合のみ開発を許可する方針としている。 中出先生

■都市計画と農政
農政側には農林または林地を守ろうとする姿勢がみえないので、都市計画側が守らなければならないという状況がある。 岩手県
青森県
都市計画サイドだけでは、市街化調整区域や白地地域をコントロールすることは難しい。 福島県

大型店舗の立地

■大型店舗の立地状況
会津若松市は、市街地周辺を優良農地で覆い、市街地拡大を抑える状況をつくってきたため、市街化区域内に大型店舗を誘導することができている。 福島県
岩手県においても、大手企業が白地地域の5〜10ha規模の農地をつぶし、大型店舗を出店している例が多い。 岩手県
農村地域にとって大型店舗等の立地は生活上便利になるので、農村地域の市街化は迎合的である。 鈴木先生

■大型店舗の対応
福島県では、郊外部または農村地域の幹線道路沿いに進出しようとする大型店舗の対応が課題になっており、昨年度「福島県大規模小売店舗立地法」を作成した。 鈴木先生

郊外型ニュータウンの衰退

■中心市街地と集落の重要性
地方都市では、戦後の人口増加により郊外住宅地が必要であったかもしれないが、人口減少を向かえている今、郊外住宅地の人が元に戻れば必要なくなるかもしれない。その時、重要となるのはコアとなる中心市街地と集落である。 中出先生

母都市と周辺部

■利害関係の対立
福島市の中心部の商業は非常に衰退している。一方、周辺部は、工場誘致による活性化の見通しがないため。大型店舗を誘致して雇用確保を図る考えをもっている。そのため、母都市と周辺部で非常に利害が対立している。 福島県

■産業や経済の循環系の定義
都市計画サイドと農政サイドが連携して、産業や経済の循環系を定義し、周辺部の発展形態を考える必要がある。 鈴木先生

■コミュニティ
「コンパクトなまちづくり」を推進するには、郊外部の既存集落の活性化、コミュニティの維持を行っていく必要がある。その解決策を考えることが市町村の課題である。 仙台市

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