i-Construction
国土交通省では、人口減少社会を迎えているなか、働き手の減少を上回る生産性の向上と、担い手確保に向けた働き方改革を進めるため、建設現場に施工性の向上に結び付く新たな技術の活用などをi-Construction(アイコンストラクション)と銘打って進めています。
i-Constructionのなかに生産性の向上や働き方の改善に結び付くさまざまな施工技術がありますが、今回の平川左岸下流浸透対策工事:アサヒ建設(株)において、”遠隔臨場”のICT技術を活用しています。
遠隔臨場の技術 G-eye
工事の主な区切りにおいて「段階確認」という発注者が行う確認プロセスがあります。この確認は発注者が現場に臨場して状態を目視したり中間完成物の寸法を確認することで行われます。ICT技術の一つでAtos社の「G-eye」という遠隔臨場の技術があり、発注側の監督員が現場に臨場せずに自らの在籍する職場の机の上でパソコンと現場カメラを介して遠隔臨場し、段階確認ができるようにした技術となります。
概略的な仕組みは下図のとおりです。
遠隔臨場のメリット
遠隔臨場の技術を採用することにより、以下のメリットがあると報告されています。
○発注者側
・現場へ往復する時間が無用となり、生まれた時間を他の業務に向けることにより時間の
有効活用ができる。
・現場への移動にかかる車両などの運転経費が節減できる。
○受注者側
・段階確認時にどうしても生じてしまう施工と検査のロス時間を節減することができる。
・遠隔臨場のシステムに記録された情報について、事務所内の情報共有が容易になる。
・検査結果の整理が遠隔臨場とほぼ同時平行で行うことも可能になり、業務の効率化につ
ながる。
一方で現場の細やかな感性物のきめ(テクスチャー)や音、雰囲気など五感で感じ、
判断していたことのすべてが臨場と遠隔臨場で同じに行えているわけではなく、検査
判断レベルが同等だとまでは言えない。といったマイナス面の感想も聞かれており、
全ての検査業務をこの技術で置き換えることができない課題が残っています。
遠隔臨場実施にあたっての工夫点
現場では、遠隔臨場において、望遠鏡のスコープを見ることにより測定していた、構造物の”高さ”の測定方法について、モバイルカメラで読めないという課題がありましたが、これについては「デジタルレベル(トプコン社)」という製品を採用することにより解決されています。読み値が器械の液晶表示板にデジタル表示されることにより客観的な信頼性が確保されている技術となっていることから、課題を解決することができたものです。
▲トプコン社HPより引用 |
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