HOME 河川 昭和22年大水害から60年 昭和22年洪水の概要
昭和22年洪水の概要をはじめ主な洪水の概要。
 
■昭和22年洪水の概要
  昭和22年に雄物川では3度の洪水(7月24日・8月3日・9月16日)がありました。
  特に7月洪水は高気圧が本州東方海上にあって本邦をおおい、前線帯は満州北部から東に延びていました。この前線帯上を移動性低気圧が東進するにつれて不連続線を伴った上層の谷が通過し19日以来断続的に降雨がありました。21日以降は前線帯も南下し雨量も多くなり、22日から24日朝までに全県各地で200ミリを超える豪雨となりました。県南部では300mmを超え、大正寺では402mmを記録しました。

  雄物川流域市町村では死者11名、家屋の流失308戸、床上浸水13,102戸、床下浸水12,259戸、田畑の流失・冠水30,253ha等、甚大な被害が発生しました。(県内では死者25名、家屋の流失355戸、床上浸水15,808戸等「秋田県消防防災課調べ」)
 
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■主な洪水
雨 量 被 害
昭和22年(1947)
7月21日〜24日洪水
3日間の連続雨量は、院内で362mm、横手で290mm、秋田で220mmを記録した。 死者11人、負傷者1人、家屋全壊流出308棟、家屋浸水25,361棟等
昭和32年(1957)
8月28日洪水
3日間の連続雨量は、院内で179.6mm、刈和野で207.4mm、大正寺で246.1mmを記録した。 家屋倒壊3棟、家屋浸水1,934棟等
昭和33年(1958)
9月18日洪水
3日間の連続雨量は、上檜木内で138mm、秋田で128mm、院内で125mmを記録した。 家屋流出5棟、家屋倒壊4棟、家屋浸水3,078棟等
昭和34年(1959)
7月10日洪水
1日の雨量は、秋の宮で119mm、院内で98mm、下檜木内で198mm、秋田で78mmを記録した。 家屋半壊3棟、家屋浸水2,153棟等
昭和44年(1969)
7月28日〜29日洪水
6日間の連続雨量は、大柳で365.5mm、下檜木内で408.5mm、秋の宮で397mmを記録した。 家屋浸水1,304棟等
昭和47年(1972)
7月7日〜9日洪水
4日の連続雨量は、湯ノ岱で214.8mm、下檜木内で490.2mm、生保内で375mmを記録した。 家屋全半壊4棟、家屋浸水4,904棟等
昭和62年(1987)
8月16日〜18日洪水
1日の雨量は、皆瀬ダムで271mm、大柳で235mm、山内で222mm、大曲で175mmを記録した。 家屋浸水1,574棟等
 
■洪水の特徴
原 因

台風によるものは少なく、ほとんどは梅雨前線、夏型気圧配置にともなう前線の豪雨によるものです。

発生時期

4〜5月と7〜8月に洪水の発生は集中しています。
4〜5月は、数年ごとに豪雨と融雪による洪水を繰り返しており、平成12年には、わずか30mmの降水で80〜100mmに相当する洪水となりました。

 
■昭和22年洪水の概要
 子吉川及び、石沢川、芋川は23日朝より刻々と増水し、夜半に至り既往における最高水位をはるかに突破する増水となりました。由利橋水位観測所では当時の警戒水位2.12メートルを超える5.50メートルに達し、各地に大被害をもたらしました。   実績雨量・実績水位グラフ
 
■主な洪水
雨 量 被 害
昭和22年(1947)
7月21日洪水
梅雨型の雨は、19日以降に断続的に降り、22日から24日朝までは、各地で200mmを超える豪雨を記録した。 家屋全半壊26棟、家屋浸水2276棟、浸水農地4,113ha
昭和47年(1972)
7月7日洪水
4日間の連続雨量で県内全域に100〜200mmが降った、西矢島では8日から9日までに140mmを記録した。 家屋全半壊1棟、家屋浸水523棟、浸水農地1,827ha
昭和50年(1975)
8月6日洪水
本荘163mm、矢島199mmの降雨。子吉川流域の下郷観測所では5日に106mm、6日に174mm。 家屋全半壊5棟、家屋浸水670棟、浸水農地1,380ha
昭和55年(1980)
4月5日洪水
本荘51mm、矢島52mm、冬師69mmと少なかったが、山間部の融雪水も加わり大出水となった。 家屋浸水202棟、浸水農地4ha
昭和62年(1987)
8月17日洪水
停滞前線による豪雨。 家屋全半壊2棟、家屋浸水24棟、浸水農地226ha
平成5年(1993)
2月6日洪水
袖川131mm、大川端117mmを記録。
大雨、融雪で増水。
死者1名、家屋浸水194棟等、川岸決壊5箇所、氾濫域20箇所、子吉川水系の融雪洪水では戦後2番目。
 
■洪水の特徴
降 水

鳥海山をひかえる上流部の山地は降水量が2,500mm以上の多雨豪雪地帯。平地、沿岸部の降水量は比較的少ない。

原 因

洪水の原因となる降水のほとんどは梅雨前線型、夏型気圧配置にともなう前線性の豪雨である。台風によって洪水がおきる度合いは少ない。

発生時期

4〜5月と7〜8月に洪水が集中している。
4〜5月の洪水は鳥海山、出羽山地の残雪による融雪洪水で、また7〜8月は前線性豪雨による。

出水の
特徴

流域の80%は山地で川の勾配が大きいため、洪水が到達する時間や洪水が続く時間は、他の河川に比べて短くなっている。

 
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