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直轄砂防流域の概要 |
最上川・赤川流域は、主として第三紀層の月山・葉山火山噴出物といった脆弱な地質で構成されており、大量の不安定土砂が存在します。それらは春季の雪解けや夏季の豪雨などによって、地すべりやがけ崩れ、あるいは土石流となって中山間地域に災害を発生させるとともに、下流へ土砂を供給することにより、下流河道の不安定化を招いています。
新庄河川事務所では、これらの土砂の発生や流出を抑え、災害の発生を未然に防止し、地域住民の生命、財産を守るとともに、地域の経済活動の維持・発展に貢献するため、総合的な砂防事業に取り組んでいます。 |
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立谷沢川流域(163.8㎢):昭和12年直轄化
立谷沢川は出羽三山の霊峰月山に源を発し、庄内町清川で最上川に合流する急流河川です。
立谷沢川上流域は荒廃が激しいため最上川に大量の土砂が流出していました。特に昭和初期の土砂流出はすさまじく、これを放置した場合には酒田港まで土砂で埋め尽くされるとまで言われたほどでした。
このため、昭和12年に国が立谷沢川砂防工場を設置し、国の直轄事業として施設整備に着手し、これまでに45基の砂防堰堤と18,000mの渓流保全工を整備していますが、平成5年6月には崩壊土砂量560万㎥の崩壊が発生するなど、流域内の土砂生産は今なお活発です。 |
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2018年度主要工事
●濁沢第8砂防堰堤:堰堤工、除石工 |
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大規模崩壊後の立谷沢川流域濁沢 |
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濁沢崩壊地 |
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濁沢第6砂防堰堤 |
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角川流域(128.4㎢):昭和37年直轄化
角川は、月山山系の高倉山に源を発し、戸沢村古口で最上川に合流する急流河川です。
角川流域は、主要支川である長倉川が特に荒廃しているほか、平根地すべりの滑動など、土砂が流出しやすい特性があり、融雪、豪雨のたびに大量の土砂が最上川に流出して最上川の河床を上昇させるなど、最上川下流部の洪水災害の主要因となっていました。 これに対処するため、昭和37年に国の直轄事業として施設整備に着手し、これまでに45基の砂防堰堤を整備しています。 |
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2018年度主要工事
●興屋沢砂防堰堤群:堰堤工(下流) |
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興屋沢砂防堰堤(上流) |
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鹿の入沢第5砂防堰堤 |
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銅山川流域(186.3㎢):昭和22年直轄化
銅山川は、霊峰月山に源を発し、大蔵村清水で最上川に合流する急流河川です。
銅山川流域のほぼ中央部には、風化浸食されやすい脆弱なシラス台地が分布しており、ここから流出する土砂が最上川の河床を激しく変動させるため、たびたび洪水氾濫が発生してきました。
これに対処するため、昭和22年から国の直轄事業として施設整備に着手し、これまでに51基の砂防堰堤と1,200mの渓流保全工を整備しています。平成24年4月、肘折温泉付近での大規模な地すべりにより県道が崩落し、4年にわたる斜面対策工事が行われました。 |
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肘折山腹工完成写真 |
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横道赤砂第1砂防堰堤(H30年5月) |
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寒河江川流域(331.9㎢):昭和26年直轄化
寒河江川は、朝日山系の大朝日岳に源を発し、西川町、寒河江市等を貫流して、河北町で最上川に合流する急流河川です。
寒河江川上流の月山や朝日連峰は、東北有数の多雨多雪地帯で、特に6月から7月にかけて梅雨前線性の豪雨に襲われやすい特性があります。このため上流域の荒廃がひどく、上流から流出した土砂が寒河江川本川の河道を狭めるため、たびたび洪水氾濫が発生してきました。
これに対処するため、昭和26年から西川町海味より上流を対象として国の直轄事業として施設整備に着手し、これまでに47基の砂防堰堤を整備しています。 |
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鮭川流域(250.3㎢):昭和53年直轄化
鮭川は、秋田県との分水嶺に源を発し、JR奥羽本線に沿って南流する真室川と、山形県東北端から西へ向けて流下する金山川を主要支川とする急流河川です。
鮭川流域のうち真室川の上流域は、特に荒廃がひどく、昭和40年代後半より相次いで洪水災害が発生していましたが、特に昭和50年8月の真室川災害の被害は甚大で、死者3人、負傷者24人、行方不明者1人のほか、家屋、通信等も大きな被害を受けました。
この災害を契機に、昭和53年より真室川を対象として国の直轄事業として施設整備に着手し、これまでに32基の砂防堰堤を整備しています。 |
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2018年度主要工事
●外沢川砂防堰堤:既設堰堤改良 |
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昭和50年8月6日(真室川災害) |
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入水沢砂防堰堤 |
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赤川流域(550.2㎢):昭和62年直轄化
赤川は、朝日山系および月山山系の険しい山岳群に源を発し、上流域は深い渓谷、下流域は庄内平野の美田地帯を貫流して日本海に注ぐ急流河川です。
赤川上流域の月山や朝日連峰は、東北有数の多雨多雪地帯で、また6月から7月にかけて梅雨前線性の豪雨に襲われやすい特性があります。このため上流域の荒廃がひどく、上流から流出した土砂が赤川本川の河道を狭めるため、たびたび洪水氾濫が発生してきました。
これに対処するため、昭和62年から朝日村(現鶴岡市)を対象に国の直轄事業として施設整備に着手し、これまでに21基の砂防堰堤を整備しています。 |
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