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老朽化した施設を従来のようにスクラップ・アンド・ビルドで撤去することなく、その文化的価値を調査し、保全しつつ、新しい施設を加えていかに歴史的な蓄積をつくり出すか、本事業はその試みの先駆的な例になりました。

<担当者>
担当事務所 北上川下流河川事務所
全国アドバイザー 篠原修(東京大学大学院)
平野勝也(東北大学)
分流施設計画 篠原修(東京大学大学院)、平野勝也(東北大学)
検討委員会 石川忠晴(東京工業大学)、知野泰明(日本大学)、中井祐(東京大学)
山本晃一(前土木研究所次長)、小川敏治(前河川部長)
山根昭(河川部長)、西畑雅司(前事務所長)、渡部秀之(事務所長)
児玉好史(前河川計画課長)、高村裕平(河川計画課長)
永野勝義(前河川工事課長)、小松直文(河川計画課長)、森田義則
谷田広樹(前副所長)、杉山吉郎、草薙光雄(副所長)
発注者側担当者 草刈幸次、金嘉章、南文彦、木村伸一、奥山吉徳、千葉忍、日野口厳
及川加奈(工務第二課)
設計担当者 小笠原修、又野康治、水野俊丈((株)建設技術研究所)
岡田一天、御代田和弘、伊藤登((株)プランニングネットワーク)
<事業計画>
設計期間 平成8年4月〜平成12年3月
<施設諸元>
脇谷水門
計画堤防高 KP+13.890m
計画高水位 KP+11.890m、敷高 KP+1.100m
純径間 30.1m
(通船部:10.0m×1門、小水門部:6.7m×3門)
鴇波樋門
計画堤防高 KP+14.100m
計画高水位 KP+12.100m、敷高 KP+2.000m
純径間 25.0m(6.25×4門)

鴇波樋門完成予想イメージ 脇谷水門完成予想イメージ  
 

現在の旧北上川分流施設(鴇波洗堰および脇谷洗堰)は、北上川の治水施設として旧北上川の多様な河川環境を保全するために、70年近くもの間その役割を果たしてきました。当地区には、「みやぎ沿岸県土軸」の形成に向けたプロジェクトとして河川歴史公園構想があることから、施設の改築にあたっては、歴史的価値を有するこれらの施設の保存・活用、水と緑の美しい景観への配慮を前提とした新しい分流施設の計画が求められました。現在の鴇波・脇谷洗堰は、オリフィス部と越流部の双方により流量調節が行われており、わが国でもこのような分流システムを有する分流施設は他に例がなく、希少かつ貴重な土木構造物であります。
このような歴史的土木施設を評価し、現分流システム中心とする河川環境(景観)と適切に調和を図った事業計画を立案するため、「分流施設計画検討委員会」を設置し、具体的な治水施設の計画・設計が進められました。


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