有識者からのヒアリング状況
Topへ戻る。 ジャンルで探す。 地域で探す。 言葉で探す。(五十音順)

最上川電子大事典について | サイトマップ | 用語解説 | リンク集
有識者からのヒアリング状況 > 大友 義助
二 雪の形

“渡舟を預る人や川舟を操って漁をする人にとって、いちばん恐ろしいのは「ザイ」だ。これに当たったら舟などは一たまりもない。これは最上川の川べりの村ではよく耳にする言葉であるが、はて、これに漢字を当てるとすればどんな漢字かということになると、全くわからない。

 「ザイ」(「ザエ」とも聞こえる)は、川に流れてくる氷や雪の塊を言うのであるが、今は、ごく一部の人しか口にしない。厳寒の節は、最上川の如き大河も一面に氷結することがあるし、大雪の折は、この上に雪が積もることもある。この現象はとくに、流れの比較的緩やかな中、下流部においてしばしばみられる。川面全体の氷結はそれほどではないが、岸に近い流れのところは、常と言ってよいほど氷が張る。

 これが、少し気温が高くなったり、陽が照ったりすると、大小の塊となって流れ下る。流れる場合は、水面上に見える部分はごく一部で、水面下の部分が大部分であるから、この力は恐ろしい。船人が恐れるのはもっともである。…”

(「4ザイ」 p60 より抜粋)

戻る

▲上へ戻る
最上川電子大事典