高瀬川水系河川懇談会 設立趣意書 |
高瀬川の変化に富む自然や景観は地域の人々に親しまれ、小川原湖を中心として、古くから流域内の社会・経済・文化を支え重要な役割を果たしてきました。特に、高瀬川沿川及び小川原湖周辺の低地は広大な田園を形成し、県下でも有数の穀倉地帯であり、多くの住民の生活の場となっています。また、小川原湖は別名「たからぬま」と称され、豊富な漁業資源を持ち内水面漁業では全国でも有数の漁獲高を誇り、当地区の基幹産業に大きく貢献してきました。 しかし、高瀬川は度重なる洪水に見舞われ、当地区へ甚大な被害をもたらしてきたことも事実です。特に昭和33年9月洪水では、死者3名、負傷者17名、建物損壊流出212戸等と未曾有の被害を被りました。 高瀬川の治水事業は、昭和7年に青森県により実施されたことに始まります。昭和33年洪水を契機に、昭和37年には放水路工事に着手、昭和52年に完成しました。この間、昭和44年むつ小川原開発の位置付けがなされる等の社会・経済情勢の変化に対応し、昭和47年には高瀬川水系が一級河川として指定されました。昭和53年3月高瀬川水系工事実施基本計画、更に同年12月には小川原湖総合開発事業に関する基本計画が策定され、昭和56年から湖岸堤工事、これに伴う樋門・樋管工事、地上げ補償工事等を実施してきました。 一方、豊で潤いのある質の高い生活や、良好な環境を求める国民ニーズの増大等の最近の動きに的確に応えるため、平成9年に河川法が改正されました。その目的に「治水」「利水」のほか、新たに「河川環境の整備と保全」が加えられると共に、従来の「工事実施基本計画」に替わり、河川整備の基本となるべき方針を定める「河川整備基本方針」と、具体的な河川整備を定める「河川整備計画」を策定し整備を進めることが示されました。更に、「河川整備計画」の案を作成する段階においては、河川の特性と地域の風土・文化等の実情に応じた河川整備を推進するため、河川に関し学識経験を有する者、関係住民、地方公共団体の長の意見を反映する手続きが導入されました。 以上のことから、今後策定される河川整備の計画に、地域の意見を十分反映させるため、河川に関し学識経験を有する皆様で組織する「高瀬川水系河川懇談会」を設立するものです。 |
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