第二回 高瀬川水系河川懇談会 |
平成14年11月28日 |
◎司会 |
1.開 会 |
◎司会 寒い中、午前中の現地調査の方、ありがとうございました。これから懇談会を開始したいと思います。 委員22名のうち、本日、18名の出席をいただきました。ありがとうございます。 資料ですけれども、「資料一覧」というものと、この資料、座席表、それから前回の議事録が配られていると思います。もしない場合は、事務局の方までお願いいたします。 それでは、この「資料」というものの1枚目を開きますと、「次第」がございます。これに基づいて進めさせていただきます。よろしくお願いいたします。 |
2.あ い さ つ |
◎司会 まず初めに、事務所長より挨拶をいただきたいと思います。 ◎田中所長 日ごろ皆様には、国土交通行政の推進に当たりまして多大な御理解と御協力を賜り、まことにありがとうございます。 また、本日は、非常にお忙しい中、そして非常に風の強い中でございましたけれども、現場見学から参加いただきまして、ありがとうございます。 前回にも申し上げておりますけれども、この懇談会は、高瀬川の今後あるべき姿を求めるために河川整備基本方針を決めるということで、地域を代表される皆様方から御意見をお聞きするために設立したものでございます。今年の8月26日に引き続きまして、今回は第2回目の河川懇談会になります。よろしく御指導のほどお願い申し上げます。 それで、1週間前の11月21日に東北地方整備局の事業評価監視委員会が仙台で開催されました。今年の9月に、むつ小川原開発関係の工業用水が最終的に小川原湖の総合開発事業から撤退することになったので、最終的には小川原湖総合開発事業を廃止する予定になりました。これを事業評価監視委員会というものにお諮りしたところでございます。「第二回 高瀬川水系河川懇談会資料」の4ページ目を見てください。 ここには、事業評価監視委員会について少し書いてございます。「再評価の目的」という所を見ると「公共事業の効率性及びその実施過程の透明性の一層の向上を図るため」と書いてあり、その下に「事業の継続が適当と認められない場合には事業を中止するものである」という記述をしていることから、小川原湖総合開発事業についてお諮りしたところでございます。 2番には委員の方々の名前が書いております。この河川懇談会の座長でもあります佐々木先生がこの委員の中に入っておられましてこういう中で御議論いただいたところでございました。 それで、5ページの4の「議事」で小川原湖総合開発事業がこの委員会に諮られたところでございます。 そして、その結果が次の6ページになります。1の「再評価について」では小川原湖総合開発事業は中止が妥当と書いてあります。 ダム事業として昭和53年度から実施してきたところでございますが、工業用水を始め各種の事業の利水部門がなくなったということで、この小川原湖総合開発事業は中止が妥当という結論に達したところでございます。 そこで、今後は、治水事業を進める予定でございます。そして、そのあるべき姿を、このような河川懇談会であるとか、その他のいろいろな委員会等で意見をお聞きしながら、治水事業のあり方を探っていきたいと思っております。皆様方の貴重な御意見をお聞きしたいということで第2回河川懇談会を開催します。 予定では3時までということになっております。いろいろな御意見を拝聴したいと考えております。よろしくお願いを申し上げます。 |
3.議 事 |
◎司会 それでは、早速、議事に入りたいと思います。 前回の懇談会で座長が佐々木委員と決まりましたので、佐々木先生、よろしくお願いします。 ◎座長(佐々木委員) それでは、議事を進めていきたいと思います。 皆さんのお手元に、「第二回 高瀬川水系河川懇談会」という表紙のものが配られていると思います。これをめくって、1ページのところに「議題」というのがあります。1、2、3と3つの議題があります。これに沿って進めていきたいと思います。 1つ目の議題は、第1回懇談会の要旨と、議事録の公開と、1回目で宿題になった3つの点についてのデータ、調べた結果等の報告があります。2つ目は、高瀬川の治水計画についての事務局からの説明です。3つ目の議題は、「意見交換」と書いています。これは、2番目の事務局からの説明を受けて、皆さんから意見を出してもらって、高瀬川のあるべき姿というものをはっきりさせていきたいという内容の議事の設定です。 今、所長さんから説明がありましたように、この懇談会はまだ2回目になっているのですけれども、途中で小川原湖の総合開発事業については中止が妥当というような再評価委員会からの審議結果を受けています。ですから、今まで総合開発事業というのは4つの目的を持って進められて、それがうまく帳尻を合わせながら来たのですけれども、それを進めるのは適当ではないということです。 4つの目的というのは、治水と利水からなります。利水の中に3つあって、工業用水の確保、水道用水の確保。それから農業用水の確保です。この利水3つと治水が合わさって4つになります。この4つの目的を持って小川原湖の総合開発を進めようというものでした。これはもうやめましょうということに流れがなってしまいましたので、改めて、これから本当に高瀬川を安全な流域にするにはどうすればいいのか、また、ここにはすばらしい環境がありますから、そういう環境を考慮しながら、よりよい高瀬川をつくっていく、整備していくにはどうすればいいかというのが、今問題になってきているものと考えられます。そういう点、皆さんから積極的な意見をちょうだいしたいと思います。 1)第1回懇談会要旨 ◎座長 それでは、早速、議事の方に移りたいと思います。 1番目の「第一回懇談会要旨」についてです。事務局の方から説明をお願いします。 ◎事務局 それでは、私の方から説明させていただきます。 資料の3ページをお願いいたします。 まず、1といたしまて「規約の承認」ということで、規約の承認をいただきました。また、座長につきましては、佐々木委員を選出させていただきました。ありがとうございます。 公開方法なのですけれども、基本的に公開するということです。それから、議事録の公開も求められまして、皆様のお手元に、この議事録の用紙。これは事前に皆様に送らせていただきまして、目を通して校正したものです。これを、流域市町村、9ございます。その9市町村の役場の窓口に置かせていただきたいと考えております。期間等は、ここに書いていないのですけれども、通常、縦覧といいますと、役所的には大体2週間ぐらいやっておりますので、2週間ぐらいで提案したいと考えております。 あと、見た方が意見を述べていただくものをその場に用意させていただきたいと考えております。そして、これについても、事務所にホームページがございますので、そのホームページに掲載していきたいというふうに考えております。 1つ皆さんに確認していただきたいのは、この議事録の中に各委員の名前が入っております。このままでよろしいかどうか、それを確認させていただきたいと思います。もし、そうではないよと。例えばAとかBとかというふうにしてほしいという要望がございましたら、それはこの中で審議していただきたいと思います。 それから、3のスケジュールですけれども、前回、15年度までに整備方針をつくるということで御提案させていただきまして、基本的にいいよというような意見をいただきました。それ以外にもっと開いてもいいのではないかというような意見がございましたので、私どもといたしましては、皆様の御要望があれば、それに合わせた形で進めていきたいと考えております。 一応、規約等については以上です。 そちらの方を審議していただきましてから、こちらの「その他」の方をやらせていただきたいと思います。 ◎座長 それでは、皆さんから御意見をちょうだいしたいと思います。議事録の公開については、1回目の懇談会で委員の皆さんが一致したように、議事録を公開したいと思います。これについては、皆さん一致できると思います。 ただ、具体的な議事録の公開方法として、これが皆さんの手元にあると思いますけれども、「第一回 高瀬川水系河川懇談会 議事録」とあります。これをそのまま公開するということではいかがでしょうかということです。名前が載っています。これもそのまま公開するということです。御意見をお願いします。 都合の悪い委員がいたら、AとかBとかします。基本的には、大学の先生は名前を出してもいいのではないかなと思います。 都合の悪い方、おられますか。 ◎澤口委員 このままでいいと思います。 ◎座長 では、このまま議事録を公開するということでいきます。 ◎山下委員 このまま載せても、読むのに相当大変な話になるので……。 ◎座長 要旨という意味ですか。 ◎山下委員 そうですね。名前とかはくっつけなくてもいいのですが、出てきた主要な意見を頭につけると本当はいいと思いますけれども。 どれぐらい活用されるかわかりませんけれども、可能ならということです。 ◎座長 では、議事録の公開については、まず、これはこのまま公開することにします。そして、今、新たな点で、要旨もつくって出してみたらどうかということです。 では、そういうことにしましょう。いいですか。 ◎事務局 はい、事務局はよろしいです。 ◎座長 では、要旨の内容については、私と事務局で相談して決めます。それでいかがでしょうか。 (「はい」という声あり) ◎座長 では、そうさせていただきます。 では、1番目の懇談会議事録については、以上のとおりです。 第1回懇談会で出た3つの質問について調べた結果の報告、よろしくお願いします。 ◎事務局 下水道の普及率についてちょっと質問がございました。これにつきましては、資料の中の参考の1というふうになっています。 これは東奥日報に出たものと、うちの方のデータのものを一緒にしたものなのですけれども、真ん中に「平成13年度末普及率」とあります。これが、この9市町村合わせますと平均で35.8%というふうになっております。これは下水道関係です。それに農業集落排水だとか合併浄化槽等を入れますと、全体で47.2%になっております。これが13年度末の状態です。 ちょっとミスプリがございまして、「汚水処理施設整備状況」ということで右から3つ目のところ、天間林と下田町の54.9%と15.8%が逆転なっているということですので、これを直していただければと思います。 ◎座長 すみません、もう一回言ってもらえますか。 ◎事務局 右から3つ目の欄のところに「汚水処理施設整備状況」という欄があるのですけれども、この中の天間林村と下田町。 天間林が54.9%、下田町が15.8%なのですけれども、これが逆転しているということですので、訂正をお願いいたします。天間林が15.8、下田が54.9ということです。処理人口も変わると思いますので、この辺も直してもらえばと思います。これが、この流域の全体の普及率です。 次に、前回、「小川原湖の水環境」というパンフレットをお示ししました。今回は渡していないのですけれども、この中に水収支というものがございました。この水収支について基本的なデータはどうなっているのかという質問がございまして、これを参考の2の方に入れております。 この考え方は、小川原湖の水収支をマクロ的に見たらどうかということでつくったものです。まず流入と流出がございまして、流入につきましては、河川につきましては流量観測の結果を用いてやっております。それから降水量につきましては、先ほど見ていただきました湖の真ん中に総合観測所がございまして、そこの雨のデータを使って求めております。 それから、高瀬川のところでは水が出たり入ったりしているわけです。そのうちの入ってくる方につきましては、流速計と水位結果を用いて出しております。それから、地下水については不明でして、この流入、流出を計算した結果でもってここに出てきたものが表れているということになっています。 それから、流出ですけれども、蒸発量につきましては八戸気象台の値を使って算出させていただいております。推定です。取水量につきましては、期別の水利権量をもとに求めております。高瀬川の流出量につきましても、流速計、水位を用いて出しております。それから、放水路の流出。きょう見てきましたけれども、ここにつきまして、平成9年は放流がございませんでしたので、ここは「なし」というふうになっています。 あと、湖が水位変化しておりますので、その水位変化量を表した形で表示しているということで、この図をマクロ的につくって、小川原湖というのはこういう水の流れがあるよということを示したものだということです。 以上です。 ◎座長 ただいま説明していただいた点について、何か御質問ございましたら、どうぞ。 ◎山下委員 単純なことなのですけれども、下水道の方なのですけれども、さっきの天間林と下田が逆なのは、人口が逆なのですよね。 ◎事務局 そうです。 ◎山下委員 そうすると、パーセントは変わるのではないですか。 ◎事務局 実は、この全体処理人口が出ていなかったのです。パーセントしかなかったもので、逆算してここを出したもので。 そのパーセントが、多分、逆に入っていたのです。申しわけございません。 ◎山下委員 そうすると、人口の方がずれる可能性があるということですね。 ◎事務局 そうです。 ◎山下委員 パーセントを信じればいいのですね。 ◎事務局 そうです。 ◎山下委員 わかりました。 ◎座長 ほかにございますか。 ◎西田委員 水収支の件なのですけれども、出ている数字は多分、ある精度のもとに測られた流速データ、水位データをもとに算定していると思うのですけれども、上のところに四角で囲った文章の中でちょっと気になる表現があるので訂正をお願いしたいと思うのですけれども、Aのところで1行目の終わりのところに「河川からの表層流入量」というのと、それから逆流については「海水の逆流量」と書いてあります。そして、逆流はかなり大きいということを書かれているのですけれども、こういう書き方をしてしまうと海水がこれだけ入ってきているというふうに思われますけれども、これは決して海水が入ってきているわけではなくて、高瀬川の流速が負の方向を見たときの逆流量であるということで、海水の逆流量ではないのを気をつけていただきたいということ。 それから、もう1点ですけれども、Bのところで「蒸発量は」というところと、最後に「蒸発量は約5%、取水量は約4%」と書かれているのです。これは高瀬川を逆流してくるものまでも流量換算に入れていますけれども、通常、取水量は何%ということを議論するときには、入ってくる、有効に利用できる淡水量のうちの何%を使ってしまうのかというふうな考え方の方がいいような気がします。そうすると取水量は約10%近くになると思いますけれども、そういうふうな記述の方がよろしいのではないかと思います。 ◎事務局 わかりました。 ◎座長 最初の点は、Aのところで、「海水を含む」にしますか。 ◎西田委員 「高瀬橋における逆流量」でいいと思います。必ずしも海水ではなくて、湖水が流出した後に、それがただ戻ってきている部分が河道内であって、それが過ぎた後に海水が入ってくると。これは、果たして流入、流出を分けて議論する意味があるかということになるのですけれどもね。 ですから、小川原湖を中心に考えたときに、逆流量を流入量として、通常の淡水流入と同じような湖の流入量として扱うべきかどうかということになると思うのですね。それがちょっと混乱のもとになっていると思うのです。 ◎座長 ここの水収支を考える場合は、それが今までわからなかったのです。ここは、小川原湖に入ってくる水の量という考え方なのです。水収支はそういう表現なのです。 ベースは、今まで言うような、入ってくる量だけという単純な表現ではないのです。だから、そこを誤解ないようにするにはどういう表現がいいかという方向でいきたいのです。 ◎西田委員 これは遡上流量でも逆流流量でもいいですけれども、高瀬川を遡上する逆流量が約40%という表現だったらよろしいと思いますけけども、海水では決してないです。 ◎事務局 すべてが湖に入るということではないですね。 ◎西田委員 すべてが海の水ではないということです。 ですから、これでいくと、かなり逆流量が、海水が40%も入ってきているのかというふうな錯覚を起こすかもしれませんが、決してそうではないということです。 特につけ加えさせていただければ、Bのところですけれども、今、佐々木先生がおっしゃったような感覚で言ってしまうと、トータルの流入量に対して取水量がどれだけかということですけれども、海からの逆流量を流入量として扱ってしまうと、通常言われている、使える水のうちのどれだけを取水して使っているかという発想とは違う結果になってしまうことです。 ◎座長 ちょうどいいかもしれないね。湖から引いて淡水として使える水でなく、小川原湖の水収支というふうに考えていける時代になりましたから。 ◎事務局 そこは、もう一度、修正をかけさせていただきます。 ◎座長 では、今の点は、すぐ、ぱっと直してしまいますか。それとも後で……。 ◎事務局 これはパンフレット等もつくっておりますので、再度検討して修正したいと思いますので、ちょっと時間がかかるかと思います。 ◎座長 誰が見てもわかるような、どうせ修正するなら誤解のないような修正でいきましょう。 ほかにありますか。 ◎工藤委員 今の件に関しては、1つは、誤解がないようにということは大事なことだと思います。 ですから、むしろ、入ってくる量。これは収支としては量ですから、本当は海水も淡水でもいいような気がしますけれども、これですと海水そのもののような感じを受けますので、西田先生が今言われたような形で私はいいのかなと思っていますけれども、高瀬橋地点における逆流量ですか。 ◎山下委員 そうですね。高瀬川を遡上するという意味でもいいですし、高瀬川の逆流量でもよろしいですし、「海水」という言葉がやはりちょっとまずいかなと思っていますけれども。 ◎工藤委員 前回質問したのは私なものですから。 実は、これは全部実測ですかと、私は聞いたのです。地下水も実測だったら、これはどういうふうなやり方をしたのかなと思っていましたので、今、お話でわかりました。 それから、もう1つ、私がお聞きしたのは水質の問題ですけれども、その件に関してはきょうはお話はありますか。1997年のデータがこのパンフレットに載っていますけれども、これはどういうふうな時期に測られたものですかということをお聞きしたのですが。 ◎事務局 水質につきましては、基本的に月1回やっております。それは、手分析でやったものを、通常、例えば年であれば、それを平均した形で表示しております。 ◎工藤委員 平均量ですね。 ◎事務局 そうです。 ◎工藤委員 というのは、これから問題になると思いますけれども、小川原湖はチッソが結構高いというふうなお話です。そういう面でしたら、月1回ですと年に12回やる。そういうふうなデータを、この委員会だけでも出していただけませんかと。そんなのをパンフレットに載せてもしようがない話だから、パンフレットはこれでいいのですけれども、我々のデータとして。 というのは、季節によって大分、変動があると思うのですね。そういうふうなものの基礎データとして出していただければありがたいのですがということです。 ◎事務局 わかりました。 ◎座長 今の点は、それでは、3回目の懇談会のときに、そういう水質の季節的な変化がもしあれば、わかるような形で出してもらうことにします。 ◎事務局 はい。 確認ですけれども、このパンフレットにあるのはチッソ、リン、CODとかクロロフィルなのですけれども、この値でよろしいですね。 非常に項目が多いので、一応、このパンフレットの項目に基づいた形でよろしいかと思いますが。 ◎工藤委員 水質の表というのがあるでしょう。 ◎事務局 そうです。それに基づいたものということです。 ◎工藤委員 あの表を出せばいいんじゃないですか。ここの3つ4つだけでなくて。 ◎事務局 わかりました。 ◎座長 それだけではなく、水質がわかるような項目すべてです。今は、チッソ、リン、それからクロロフィル、CODなども水質調査では測るようになっています。 そのほかにDOも必要でしょうし、そういうふうなのを、継続して実施している水質調査結果があるでしょう。それを出してもらえばいいのです。その中から特別な項目を抜き出してやる必要はないです。 ◎事務局 そのままということですね。 ◎工藤委員 はい。 ◎事務局 わかりました。 ◎座長 測っているのでいいですよね。新たに項目を加えなさいということではないですよね。 ◎工藤委員 そうです。 ◎座長 SSも測っているのでしたか。 ◎事務局 測っています。 ◎座長 では、そういうのも測っているならば出してもらうということにします。 ほかにございませんでしょうか。 それでは、1番目の議題をこれで終了したいと思います。 2)高瀬川治水計画について ◎座長 続いて、2番目の議題に移ります。高瀬川の治水計画についてです。 では、事務局の方から説明をお願いします。 ◎事務局 治水計画につきましては、パワーポイントで説明させていただきます。 ◎事務局 (パワーポイント使用) 設計係、佐々木と申します。よろしくお願いします。 先般行われました東北地方整備局事業評価監視委員会において小川原湖総合開発事業の中止の意見が出されたわけですが、これまでの総合開発事業の総括についてお話ししていきたいと思います。 小川原湖総合開発事業は、洪水、高潮の被害軽減などの治水と、むつ小川原総合開発計画に伴う都市用水及び周辺地区への潅漑用水の供給などの利水とが合体となって進められてきました。治水については次のスライドで御説明いたします。 潅漑用水については、国営の相坂川左岸地区、県営の小川原湖西部、水道用水として2市5町2村への供給、工業用水としてはむつ小川原地区への供給がなされる計画です。 治水としましては、塩分遡上防止、高潮防除のための河口堰の建設、洪水を安全に流下させるための放水路の拡幅が大きなメニューとなっております。 治水の計画として、雨量については、100年に1回起こるであろうという雨量として231mmの2日雨量。それが小川原湖に入ってきて湖水位の上昇が起こります。この湖水位上昇を抑えるために、現在、幅80mの放水路を幅300mに拡幅して、洪水を安全に海へ流下させる計画です。 総合開発事業の上位計画であるむつ小川原開発計画については、昭和47年の第1次、昭和52年の第2次に基本計画が策定されており、現在はITERなどの誘致もあり、青森県側で見直し中であります。 上位計画のむつ小川原開発計画における総合開発事業においては、治水・利水事業を根幹として、水産業など合理的な開発事業として計画することとしています。 総合開発の利水計画として、塩分のある小川原湖を河口堰により締め切り、淡水化して既得用水、工業用水、水道用水、農業用水に利用する計画としています。 一方、小川原湖における洪水被害の影響ですが、改正された水防法に基づき、浸水想定区域図を平成13年11月に公表いたしました。これによると、浸水想定面積は12ku、戸数240戸、人口870人に影響が出ると考えられます。 この表は、高瀬川流域における主要な洪水及び被害の状況を取りまとめたものです。既往最高は昭和33年9月洪水で、河口閉塞の状況も重なったため、湖水位がT.P+2.79mまで上昇しました。また、この洪水を契機に現在の放水路が施工されております。 被害状況についてですが、これが昭和33年9月洪水時の写真です。このときの最高湖水位がT.P+2.79mとなっております。 最近の洪水として、平成2年9月の洪水の写真です。このときの最高湖水位はT.P+1.11mです。 続きまして、平成10年9月の洪水写真です。このときの最高湖水位はT.P+1.26mとなっております。 渇水被害についてですが、高瀬川水系においては特に出水に制限を生じるような状況はないようです。 これまでの総合開発事業は平成14年までに約239億円で、湖岸堤は計画延長36.8kmのうち16%の5.8kmが完成、16.6kmがH.W.Lより高く、完成堤より低い暫定形で施工されております。また、堤防敷用地として53%に当たる76.2haが取得済みとなっております。 湖岸堤の整備状況を小川原湖の地図に表したスライドです。湖岸堤は南西部を中心に施工されております。 上位計画であるむつ小川原開発計画の見直し状況ですが、平成7年より始まっており、現在もITERなどの誘致などがあり、青森県において検討されているようです。 旧建設省の時代になりますが、社会情勢の変化などに対応するため、総合開発事業の再評価として平成7年より事業審議委員会が設置されました。そちらからは2回の意見をいただいております。 1回目の意見としては、水需要が大幅に削減されることが予想されるので、小川原湖淡水化計画を撤回すべきである。治水事業は今後とも積極的に進めていく必要がある。今後は小川原湖の淡水化計画に代わる水源計画の検討を行うべきである。代替水源検討に当たっては地質・環境専門委員会を設置する、が意見として出されています。 1回目の意見に対し、東北地方建設局として、水需要が大幅に削減されることが予想されるので小川原湖淡水化計画を撤回する。治水対策を進める。今後は小川原湖の淡水化計画に代わる水源計画の検討を行い事業計画案を策定する、として進めることとしています。 2回目の審議委員会からの意見としては、国営潅漑は既得用水の有効利用で対処、県営畑地潅漑は事業計画樹立時に別途策定、上水道、工業用水は北方湖沼群及び小坪川上流ダム開発で対処、という意見が出されております。 最近の利水者の状況として、国営潅漑は、地区内の既得用水の有効利用により湖からの取水は必要ないとして利水の回答取り下げを平成14年11月18日に行い、また、県営潅漑は、具体的な事業計画がないとして、同様に取り下げを平成14年11月8日に行っています。利水回答取り下げとは、総合開発事業を立ち上げる前に、県などに利水があるかどうかの照会をします。それに対し回答が返ってくるわけですが、この回答を取り下げたということです。 町水道としては、湖からではなく地下水で対応できるとして、昨年の平成13年3月31日をもって用水供給事業を廃止していました。また、工業用水については、ことしの9月議会において、むつ小川原地域の水源により対応可能として総合開発から撤退する旨の表明があり、ダム使用権設定申請の取り下げが出されております。ダム使用権とは、特定多目的ダム法による水資源の開発のためのダムの水を使える権利です。この権利の設定の申請がなされていたものを取り下げたものです。なお、ダム使用権設定申請されますと、総合開発事業実施のための負担金が徴収されることになります。 総合開発事業の基本計画策定時における費用対効果ですが、当時は治水として1.08となっています。費用対効果とは、簡単に申しますと、施設を整備することによりかかる費用と、それを整備することによって生ずるであろう洪水被害の軽減などの効果を算出して、その比により表現しているものです。 治水の推進については、先ほど述べました事業審議委員会などから治水事業の促進が要望されております。 以上、利水者の状況を考えると、小川原湖総合開発事業に参画予定のすべての事業より利水要望及びダム使用権の設定申請の取り下げが提出されたため、小川原湖総合開発事業が成り立たないということになり、治水、利水を兼ねた総合開発事業は中止することになります。 治水対策については、たびたび洪水被害が生じていることから、今後とも引き続き実施していく必要があると考えております。なお、治水については、総合開発事業ではなく河川の改修事業として実施していくことになります。 以上です。 ◎事務局 今説明しましたように、これをかけまして、あと、評価監視委員会におきまして、中止が妥当であるというような提言をいただいております。これに対しまして、地方整備局といたしましては尊重するというような立場かと思います。 要は、今までは利水と治水が一緒になったものでもって総合開発事業というような形で事業を進めていきますよという中で、実はこの懇談会を立ち上げたときは、そういう形の中で治水をどうやっていきましょうかということでお諮り願っておったわけですけれども、この状態になりますと、もう新規の利水は全くなくなるということで、治水、環境を含めた形でどうやっていけばいいかということを、この懇談会で皆様から御意見を伺っていきたいと考えております。 午前中、皆様に小川原湖を改めて見ていただきました。今、このような形で治水というものを頭に入れていただきまして、皆様の小川原湖に対する印象、あるいは小川原湖の治水といったものの御意見をお願いしたいと考えております。 以上です。 ◎座長 再び、今、治水計画についての説明がありました。計画そのものの内容についての報告ではなかったのですが、今までの河川事業の流れと、これからの河川整備についての意向と、現在考えていることについての説明が事務局からありました。 3)意 見 交 換 ◎座長 意見交換ということで、3番目の議題に進みます。 今の事務局の説明について、何かわからないところがありましたら、どうぞ。 2つに分けて3番目の議題を進めたいと思います。1つは、今の事務局の説明でどうもわからないところがあるというなら、そこについて、まず少し皆さんで確認し合っていきたいと思います。そして、その後に、高瀬川をどういう川にしたらいいのだろうかという御意見をいただきたいと思います。 どなたか、質問ございましたら、どうぞ。 ◎西田委員 今のパワーポイントの中にあったので、ちょっと前提条件がわからなかったのでお教え願いたいのですけれども、ハザードマップをつくられて、予想被害12kuというのを240戸か何かの浸水ということでお出しになっていましたけれども、あれの前提条件は、今の状態でのやつなのか、それとも計画上どこまで行ったときのハザードマップなのか、その辺はいかがなっているのでしょうか。 ◎事務局 現状です。今の放水路は80mで、100分の1、231mmの雨を降らせまして……。 ◎西田委員 護岸堤も今のまま……。現状の……。 ◎事務局 そうです。現状のままです。 それで、今の計画は、H.W.L1.7mを超えるとあふれるという条件を入れています。あふれますと、概算なのですけれども、水位が2.1mぐらいまで上がるのです。それが堤防を越えてあふれるということで、実際は1.9幾つの水位までさがり、浸水の想定面積が約12kuになるというふうになっています。 ◎西田委員 わかりました。もう1点、いいですか。 治水事業のB/Cの計算で、事業が始まった昭和53年かのB/Cが1.幾つという、超えていたと思うのですけれども、その後、B/Cは計算されたことがあったのか、その辺をちょっとお教え願いますか。もしわかればですけれども。 ◎事務局 当時のもので1.08になりまして、その後のものをデフレータをかけて、今まで使った230億とかあるのですが、それもその治水の分だけを取り出しまして、概算しますと1.1幾つとなっております。 ◎座長 ほかにございませんでしょうか。 ◎杉沢委員 すぐ隣に住んでいる杉沢という者ですけれども、近くにおってもなかなか小川原湖の周辺というのを、きょうほどよく見学したことがなかったわけですけれども、大変不勉強な者ですけれども、放水路の幅もこれからさらに拡大して、そして安全を図ろうというふうなことを知って、もっともだなというふうに考えましたけれども、今までいわゆる工事を進める場合に、余りにも短期間での考え方で、今、実際、各方面で工事を完成してそう日がたたないうちに、これではまずかった、もっとコンクリートの施設などを少なくしなければならないとかといったことで、従来の完成したものをはがしたりというふうな話をよく聞くわけですけれども、これからの工事を進めるに当たっては、そういったことも十分お考えになって、なるべく、やり直しとか、もとに戻すというようなことを少なくするような計画を立てていただきたいものだと。干拓地などでもいろいろ問題になっているわけですけれども、そういうふうなことで、そういったことを強く感じたというふうなことでございます。 きょうほどいろいろな勉強になったということが、今までなかったと。大変いいものを見せてもらったというふうな感じでおります。 どうもありがとうございました。 ◎座長 放水路の拡幅という計画があって、それで安全になるということから安心し、いいのではないかと考えたこと、堤防をつくったりするときに、一回つくったのをまたはがして、できるだけ自然をということでやっているみたいだけれども、余りそういう無駄なことはしないように最初からいいものをつくった方がいいではないかという、2つの御意見です。 放水路の拡幅については小川原湖の総合開発事業の中で計画が示されてきました。これがもう中止ということです。しかし、治水は必要なのではないか。これは皆さん認めるところだと思います。 そこで、この小川原湖の総合開発事業は中止する。今まで利水と治水が一緒になった、この事業が中止ということです。しかし治水は必要なものだとするともう一回、別な言葉で言えば仕切り直しして、最初から出発してくださいということです。 今まで小川原湖や高瀬川の川づくりについていろいろな議論をしてきましたが、必ず利水が絡んできました。当初は小川原湖を淡水化するという事業です。それと絡んできたのだけれども、そういうものはもう捨てなさいということなのです。これから本当の高瀬川のあるべき姿というものを純粋に考えていかなければいけない時代がスタートしたということです。そういう点では、地元の皆さんから何が必要なのかという点について声を高くして言ってもらわないとだめだという状況になっています。このあたり、少し、地元の皆さんの気持ちというか、感じている点等を披露してもらえばいいのではないかと思っています。 1点目の、先ほどの杉沢さんの放水路の拡幅について、何か御意見ございますか。 ◎事務局 事務局としては、今、座長がおっしゃったように、もう一回、一から考えてくださいということで言われていまして、今、検討中です。 きょうも、もっと具体的なものを出せればよろしいのですけれども、実はまだ検討していまして、このような場に出せない状態ですので、検討中ということで、申しわけございません。 ただ、言えることは、治水のやり方として幾つか方法がございます。例えば、上流にダムをつくって、入ってくる水を落とす方法。それから、例えば100あったものが100そのまま湖に入ってきて、その100あったものを湖の中でため込む方法。それから、100あったものを、例えば先ほど言った、放水路を拡幅して出していく方法。大きくこの3つに分かれるかと思います。これらをベースにして、今現在、検討中であるという状況です。そういったものについて、皆様から御意見をいただきたいと思っております。 それから、やり直しをやめてくださいよというような耳の痛い御意見でした。そういうことがないように私どもも進めていきたいと考えておりますので、それも含めまして御意見をいただければと思います。 ◎座長 ほかにございませんでしょうか。 ◎澤口委員 三沢漁協の澤口です。今の排水の問題でちょっとお伺いいたします。 現在の80mを、今までの計画の中では300mというようなことでございます。これが、さっき佐々木座長さんも言われたように根本から見直しということでございますけれども、もしもその計画が、その3つの中で排水路が300mということになった場合、我々漁業者に対しての配慮を十分考えていただきたいと。 今の状態でも、非常に漁業者の中から、雨が降った後、放水する際に、一回に出されると周辺の泥が流れて、シジミ貝などがいる場所が変わってしまうというような意見が出ております。そういったことも十分検討した上で、もしも拡幅する場合にはやっていただきたいと思っています。 それから、きょう現場を見させていただいた中で、高瀬川の河口に蛇籠が入っております。あの辺を、我々漁業者から言わせると、川としては非常にいい工事ではないかと私は思うのだけれども、漁業という立場から考えると非常に寂しいような気がします。やはり、岸にアシ、ヨシが生えているような状況が、我々漁業者から言わせると非常にそういった環境につくってもらいたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎座長 洪水で小川原湖の水位が上がったときに、能力のある放水路をつくって一気に流すと、シジミがいっぱいいたところに泥がかかったりしていなくなる可能性もあるので、そういうことがないようにしてもらいたいという御意見です。 ◎事務局 御指摘の件、私どもも、シジミとかワカサギ、シラウオがこの地域の非常に主要な基幹産業であるということを認識しておりますので、その辺は計画をつくる段階で皆様の御意見を伺っていきたいと思っております。 それから、きょう見た布団籠の件なのですけれども、私の意見で申しわけないのですけれども、昔であればコンクリートの護岸を張ってしまったということだと思うのです。あれを布団籠にしまして、あの中に石を詰めていますよね。あれに泥が詰まっていって、あれにいずれ種が来て、そこにヨシが植わっていって変わっていくというふうに、私ども考えていると思います。長い目で見ていただきたいなと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ◎座長 洪水になったときにゆっくり排水するという問題は、聞くぐらいまではできると思うけれども、実際にそれを実行すると、農業関係の皆さんと今度は折り合いが悪くなる可能性があります。 小川原湖の洪水は長いですから、田んぼが冠水して、どうしようもなくて水を抜いてくれという意見もあるし、そのあたりは、やはり地元の皆さんでいろいろ話をしていかなければいけないでしょうね。 いろいろな考え方や意見がありますということを、この懇談会ではっきりさせなければいけないと思います。どうもありがとうございました。 ◎山下委員 すみません。素人なもので。 放水路から水を出すとシジミに影響があると言われたのですけれども、きょう見せていただいたのは西側の方で、あのあたりに影響があるということになるのですか。 ◎澤口委員 放水路の辺ということです。放水路の上流。 ◎山下委員 放水路のあの上にも、もう1つそういう漁場があるということですか。 ◎澤口委員 放水路の西側が一番の産卵場所なのです。そういったことで、一気に水を出されることによって泥と一緒にシジミも流れているというような、現場で漁をしている人たちからそういうことを言われております。 ◎山下委員 わかりました。ありがとうございます。 ◎座長 よろしいですか。 では、尾ケ瀬さん、お願いします。 ◎尾ケ瀬委員 六ヶ所村の漁協の尾ケ瀬と申しま。ただいま放水路の件について、三沢市漁協の澤口組合長さんからもありましたが、現在水位がT.P+0.8を超えますと夜中でも県の方から私まで電話が来ましてゲートを開けているようですが、小川原湖の放水路の200mぐらい上流は本当にシジミの繁殖地でもございます。 それと、10年ぐらい前ですが、そのあたりで操業していた当組合の漁業者本人に何の連絡もせずにT.P+0.8になったものだからゲートを開け、漁業資材をすべて流すという事故がありました。私が組合長になってから夜中でも電話が来るようになりましたが、今後とも漁業者の方々の状況を十分配慮した上でゲートを開けていただきたい。もし、資材などを流すことになると本人も県当局もお互い大変です。当時は、県の方からかなりの損害に対する補償がなされたと聞いています。ですから、T.P+0.8でなく、やはり+0.5以上になったら徐々に開けたらいかがでしょう。 ゲートは、5枚に分かれているので、あれの1つでも開けておいたら、一気に開けるのと違ってシジミの稚貝も流れることなく、また漁業者にも被害を与えることもないと考えておりましたが、この点について国交省の方の考えをお聞かせ願えれば幸いと思いますが。 以上です。 ◎座長 では、いまの点については次回の3回目のときに検討しましょう。 今は、海水面より80cm以上、小川原湖の水位が上がれば水門をあけて水を流すということで管理しています。しかし、そのときに資材が流されるということが出たということそうならないような工夫をする必要があると思います。しかし、自然災害ですから多分、そういうのは補償するとかという問題でなくして、誰が、何を、どの程度我慢しなければいけないのかということになるのかも知れません。例えば、この水門操作をしなければ洪水が起きます。ではどのような水門操作が考えられるのか、そのあたりを少し出して、皆さんで、誰がどういう得をして、誰がどういう損をするかというのを、具体的なデータを見ながら話をしてみるということでいかがでしょうか。 今すぐは返事はできないかもしれないけれども、いかがですか。 ◎事務局 実は事務局といたしましては、県管理なので無責任なことは言えませんので、できれば第3回目にさせていただきたいと思います。 ただ、基本的に言えることは、出水になれば、おっしゃいましたように、あの高さでいきますと、T.P+0.8mになるとゲートをあけて流しますと。そういう形で地域の水位上昇を抑えて、小川原湖周り、あるいは下の方を守るというような考え方をしておるようなのです。 私の方もそういうふうに、何か被害があるよというような話を聞いていまして、T.P+0.8mより低いところであけているという話もちょっとは聞いておるのですけれども、その辺の実態がよくわかりませんので、3回目のときに、その辺の実態も含めまして、今、座長がおっしゃったような形で、漁業者、それから農業者、あるいはそこに住んでいる方々がいますので、それで意見を伺いたいなと思いますが、よろしいでしょうか。 ◎尾ヶ瀬委員 はい。 ◎座長 西田先生、きょうは小川原湖の水位が0.65mでしたが、例えばそのあたりで1つか2つと、海の潮位変動もあるのですけれども、水門操作が考えられないでしょうか。見通しとしてはどうですか。 ◎西田委員 +0.5というと、小川原湖の平均の湖水位が+0.4から0.5ですから、いわば1年間のうち半分近くあけるということになります。あけっ放しは、当然、湖口の塩分濃度が大きく変化します。+50になったらあけてやると、かなりな時間、塩水がゲート1つでも入ってきます。 ですから、そのゲート操作自身が潮汐に合わせた効率的な開門調整をしてあげないと、あの辺の水質、水環境をうまく保ちながら治水するというのは非常に難しくなってきますから、開門の調整自身をうまく制御していかないと、50になったら1門だけあけてという管理では水質自身が大分変わってくると思います。シジミにとっては、塩水が入るから逆にいいのかもしれませんけれども。非常に難しい話だと思います。 それから、もう1つ。例えば50程度、1門あければ被害は軽減するかもしれない。その被害の実態が何によっているのかですね。例えば流速が早くなってしまうことによるのか、土砂移動によってシジミに被害が出てしまうのかとか、その辺の実態も、さっき会長さんおっしゃいましたけれども、ちょっと調べて資料をまとめた方がよろしいかと思いますけれども。 ◎座長 シジミというのは適当に海水が来ないとだめだし、淡水だけだと育たない。十三湖と小川原湖のシジミの味は違います。やはり十三湖の方がちょっと海水が濃いです。そのあたりが味の違いを出しています。この微妙な塩分の混ざり具合で小川原湖のシジミの味が決まっているから、余り水質環境が変わるようなことがあるとシジミも大変かもしれないです。そのあたり、ちょっと神経をとがらせる操作が必要かもしれないです。 どういうのが可能かどうか。また、人件費もかかってくるし。そこを漁協さんで負担するというならいい案もあるかも知れません。 では、そのあたり、今のゲート操作でどういうことが可能か。それから、今、西田先生がおっしゃったような、被害のもともとの原因は何なのかというあたりも、今までの調査でわかっている点をもとにして3回目に出してもらって、それで皆さんで話をしていきたいと思います。 ◎座長 それでは、後半の方の意見交換で、これからの高瀬川流域のあるべき姿について御意見をお願いします。 ◎小原委員 東北町の助役の小原と申します。湖岸堤の最終的なあれで、表面を舗装していただけるのかどうか、その計画なのかどうかというようなことでございます。 きょうの説明だと、湖岸堤そのものを管理用道路イコール兼用してやっていくというようなことでございますが、現実には経済活動だとか産業活動だとか、あるいは生活道路だとかということで地域住民が利用しているわけでございますが、仮にあれを舗装しないとなると、きょう歩いたように、最終的には土が散らばったり、泥で湖水も汚染されるというようなことでございますので、管理用道路であれば舗装しなくてもいいのだというような考え方であれば、これは現在の道路として考えれば舗装するのがもう常識ではないかなと考えるので、その辺の計画はどうなるのかどうかですね。何とかこれを舗装していただきたいというようなお願いでございます。 それから、もう1つは、先回に、飲料水のことですが、これは小坪川も考えていると。あるいは小川原湖から取水して飲料水にするというようなことも伺ったのですが、ここで、おいしい水と申しますか、健康的な水という観点から見ると、この小川原湖から取水して、それを浄化して飲料水にするというようなことになると、やはり小坪川の方が源流でもございますので、そちらの方から飲料水としての計画をしてもらえればというようなお願いのことでございます。 ◎座長 舗装と、飲料水を取る対象河川についての質問です。 ◎事務局 まず湖岸堤ですけれども、きょう現地を見てもらったのですけれども、実は治水だけで考えるという計画になりますと、そちらのルールがございまして、その堤防の形についても見直しがかかります。 今の考え方でいきますと、上の幅がちょっと狭まるような形になるのです。そういった形になりまして、あと、上の方に簡易舗装をするというような計画になります。それを、我々治水サイド──治水は国と県がお金を出している仕事なのですけれども、国が3分の2、県が3分の1出してやる仕事なのですけれども、それでやるとそういう形になります。 あとは、もしそれに地元の市町村の方が、そうではなくて、もうちょっと広いものが欲しいとか、もっときちんとした舗装が欲しいと言った場合は、応分の負担をしていただいてやるという形になるのではないかと思います。 ◎小原委員 その場合、幅員はどのぐらいですか。 ◎事務局 現在の幅員が5.5mあります。きょう走ったところですね。それが、これから変わる治水改修という形になりますと、4mぐらいになるのではないかと思います。 今それも含めまして、検討しております。それらを皆さんの方に提示しながら協議していきたいなというふうに思っております。それが1点目です。 それから、2点目の飲料水につきましては、先ほど御説明しましたけれども、総合開発事業における水道用水につきましては地下水で対応しますよということで、もう廃止していますので、それはございません。 ですので、皆様の市町村の方で単独でやられて結構なのではないかと思います。 以上です。 ◎座長 ほかにございませんでしょうか。 ◎西田委員 治水の計画なのですけれども、先ほど水門のゲートの管理が県の方ということで、今、総合開発工事事務所の方の直轄区間は、国の方は小川原湖までですけれども、七戸川は多分、県の方の管理だと思うのですが、その辺の治水の整合性を持たせた形での治水事業を進めてもらいたいと思うのですけれども、その辺の整合性の話はどんなふうになっているのですか。 先ほどのハザードマップも、結局、七戸川の河口付近が結構やられていましたけれども、その辺はいかがでしょうか。 ◎事務局 御指摘の件ですけれども、今、高瀬川から小川原湖までは約40kmあるのですけれども、それは国の部分で管理しております。こちらの治水計画というのは100分の1でやっております。それから上流、七戸川につきましては50分の1というような形でやっているのですけれども、その流出の計算方法が若干違いまして、今のでいきますと県の方が若干高い流入量になっているのです。その辺、県の方でこれから計算し直しするというふうに聞いていますので、その辺は国と県で調整をとりながら、なるべく実態に合ったものを出したいと考えております。それが1つです。 あと、浸水想定につきましては、行政的な話で申しわけないのですけれども、自分たちが管理している部分についてやりなさいよということで、実は上の方の内水の氾濫だとかは入っていないのです。 ですので、今の場合は小川原湖があふれたものの影響だけで書いていますので、ああいった形になっております。実際はあれからもうちょっと上流の方につながるのですけれども、その辺につきましても、今後課題になっております。今現在、そこまでは手が回っていない状況です。 ◎座長 整合というのは、上流が50分の1で、下流になると100分の1。そこのところの……。 ◎西田委員 湖岸堤も含めて小川原湖周辺の整備を行ったとしても、内水被害も含めて上流の河川の方に被害があれば、なかなか被害低減に直接……。効果的なものになかなかならないのではないかという気がします。今言ったように、100分の1、50分の1の違いもありますし、算定方法等も多分違っていると思いますし。 それから、今聞いたのですけれども、ハザードマップの件も直轄の部分だけの議論でしかなされていないのですけれども、実はそれより上の方も被害があるらしいですけれども、やはりその辺も一括して考えていかなくていけないことだと思いますし、こういう懇談会自身も、実は国土交通省の方が主体でやっていますけれども、県の方もこういうところに出て意見を述べられたり、こういう意見があるということを知ってもらったするのも本当はいいかなと思っているのです。 ◎事務局 県の方も、実は事務局としておいでです。 ◎西田委員 そうですか。御意見、どうなのでしょうかね。 ◎事務局 平成13年6月に水防法が改正されまして、洪水予報を県でもできるというふうになったわけなのですが、県で管理している河川が相当あるものですから、一応、今年度は、青森県で代表する河川といいますと青森市を流れている堤川がありますが、1回目としてそれをやっていこうということで今進めてございます。 随時、県内を代表する河川をやっていこうと思っているわけなのですが、まだ七戸については予定の河川に入っていないというのが現状でございます。 ◎事務局 ちょっと補足させていただきますと、実はそれをやっていくときに、県ともちょっと話はしておるのです。ただ、県にもやはりスケジュールがございまして、そこもなかなか一緒に進まないというのが実態です。 申しわけございません。 ◎座長 御意見をお願いします。 ◎甲地委員 話がまた変わるのですけれども、現地で聞いてくればよかったのですが、きょう見学した中で、平沼地区の高潮の堤防がありました。きょう久々に一周して一番驚いたのはあの施設ができていたことだったのです。随分高い位置までに計画があるようですけれども、あれは計画堤防の高さでこの後もあの高さでつくっていくということなのかどうかということをお聞きします。 それから、それが地震のときのデータであったとかという話をされましたけれども、そこら辺をもう少し詳しくお願いいたします。 ◎座長 今の堤防の高さというのは、河口のところの堤防のことですね。 ◎甲地委員 そうですね。 ◎事務局 今、平沼地区の高潮堤についてお話がございまして、ちょっと説明させていただきます。 流れに向かって左側を左岸側と言うのですけれども、その左岸側のものなのですけれども、十勝沖地震の津波の痕跡の高さが河口におきましてT.P+5.1mという形になっています。高潮堤というのは、その痕跡をもとにその高さでつくるというふうになっております。 こちらの方は実は河川の方の仕事でやっているのですけれども、それで5.1という高さになっております。今現在は、平沼の集落のところまで一部完成、あとは暫定堤の高さでできているというような状況にございます。 うちの方では、それを今後進めていこうと考えております。 (図で説明)ここに書いていますけれども、「5.1十勝沖地震の痕跡」ということで、これが5.1ですね。それから、暫定堤がT.P+2.5mということで、これは1960年に発生したチリ地震対応ということで、とりあえず急ぐので、暫定堤でチリ地震でやりましょうということでやっております。その後に、高いところに水門がございましたね。あそこはこの5.1でできているというところです。 これを平沼の集落の付近まで続けていきたいと考えておるのですけれども、この辺は、先ほど言いました痕跡につきましては海のところで出てきている5.1なので、それが川に遡上していきますとだんだん下がっていきます。その辺もわかってきておりますので、その辺も今後検討して加味していきたいと考えております。 よろしいでしょうか。 ◎甲地委員 話はよくわかりました。それがいいとか悪いとかという意見ではないのですけれども、私のような素人の一般の市民が、あの巨大な水門を見て、これは何だろうという疑問はわきますよね誰が見ても。これは、国民の立場からという意味ですね。それで、今のような説明がある。私は納得しました。大部分の人は納得すると思います。ただ、納得し切れない人もあるでしょうと思います。30年前の地震の痕跡を、もちろんそういうのをデータでやるのでしょうけれども、堤防よりも、あの水門ですね。こういう巨大なものをつくらなければならないものかと。 教授と立場が違うのかもしれませんけれども、そういう疑問を持つ方もいるだろうなということを感じたということを、率直に、ただ意見として述べておきたいと思います。 以上です。 ◎座長 もう作ってしまったから、財産として活用していかなければいけないのではないのかな。そういう視点に立って、いろいろやっていくしかないのではないのかなと思います。 今まで、治水については少しずつ、あるときは少し早目のテンポで進めてきたと思うのですけれども、そういうのが無駄にならないようにすべきです。先ほど杉沢さんが、一回つくったのをまた壊すようなことがないようにと言ったけれども、そういうものも含めて、今まで治水でやってきたのが無駄にならないように、安全な流域づくりを進めていかなければいけないのではないかなと思います。 それで、きょう見た堤防の高さを決めたのは、高潮になっているけれども、はっきり言えば津波です。津波を対象にしています。それは東北大学で計算した結果で決まったものです。ちょうどその頃、私は見ていたので知っていますけれども、当時として考えられる津波を対象にしたものです。ではこれから青森県の太平洋沿岸にどういう津波が来る可能性があるのかという点については、青森県の地震・津波被害想定調査委員会がそれを明らかにしています。私もその中に入っているのですけれども、太平洋岸では大体30年に1回、地震が起きていて、それよりもうちょっと長いスパンで津波が来ているのです。 それで、地震・津波被害想定調査委員会が出した結果というのは、これから80年から100年ぐらいすると十勝沖地震みたいな津波が来るということです。十勝沖地震津波よりももっと大きい津波になるみたいです。そうすると、そういう津波が来たときは、あそこだけは、あの背後は安全なのではないのかなと思います。だから、あれを無駄にしないようにする必要があります。 津波が来ると、この上だと安全だけれども、この下だと危ないですよとか、何かうまい利用を考えた方がいいのかもしれないですね。何か案があったら、出してください。 ◎甲地委員 私が簡単に考えているのは、例えばあそこの……。 水門のところに、これは「いついつの地震を参考にして、この高さにして水門をつくっております」とかと書いておくと、あそこに魚釣りに来た人の奥さんあたりが、あそこら辺を散歩して、「随分巨大なのをつくってあるけれども、何かな。あっ、そうか。なるほど。国民のことを考えて、国もいいことをやっているな」と思うのではないかなと。 意見として聞いてください。ごめんなさい。 ◎田中所長 我々が現場見学している時のことですが、水門、樋門があるところはちょっと高くなっています。そして、そこを過ぎるとまた低くなる。なぜあそこだけがああいうふうに高くなっているのかというような疑問を皆さん持たれると思うのですけれども、ああいう構造物というのは将来の最終的な高さで造っております。 本来ならば一番高いところにあわせて水平に施行するべきところなのですけれども、予算の都合もあり、構造物のところだけとりあえず高くしておいて、低い部分につきましては、将来、予算が認められたときに水平になるようにというような形で考えているわけです。 ですから、あそこだけ見ると非常に大きく見えますけれども、決してそれは過大な構造物を造っている訳ではありません。 それから、看板という話ですが、非常にいい指摘をいただいたと思います。例えば道路などで人の目につくところは、この工事はどういう目的で、いつまでが工事期間ですというようなことを、結構、細かく表示しております。 そういう意味では、今言われた意見を参考にしまして、具体的にどういう風にPRしていくか事務所で考えたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 ◎座長 あそこに行った人が変に思わないように、すぐ納得できるような説明板でもつけてもらえればと思います。甲地委員の意見をそのまま採用したいと思いますので、よろしくお願いします。 時間もなくなりましたけれども、御意見をお願いします。 ◎山下委員 先ほど佐々木先生も言われたような気がするのですが、地元の方々が何が必要だと思われているかというのは、ちょっとまだ僕は見えていないのですけれども、特に、それこそ小川原湖の総合開発事業が利水の面で基本的に中止になって、もう利水はやらないということになると、基本的には全面的に普通は計画を見直ししていくのだと思うのですけれども、そのときに、先ほど治水はやっていくという話は出ていたのですが、大体どのあたりがきちんとしてほしいのか。 あるいは、治水以外にも環境というのがこれから重要な要素になってきますけれども、どのあたりに問題があるのか少し話をしてもらえると僕もいろいろと意見を出しやすいかなと思いますので、できれば、特に周辺の三沢市や東北町とか、そこら辺の方々に、どのあたりがこれからの課題なのかということを少し教えていただきたいなと思っています。 ◎座長 1回目のときは、東北町の町長さんでしたか、治水の必要性について言っていました。きょうはもう時間がなくなってしまったので、次回にもっといっぱい言っていただくことにします。山下先生から見た場合、この高瀬川は、20年、30年後、どういう姿が一番いいと思われますか。そういう治水計画をつくる上で何か気にかかっているような点があったら、少し教えてもらえますか。 ◎山下委員 的外れかもしれないですけれども、きょう、きちんと一周させてもらってよくわかりましたけれども、人口密度はやはり低いところだなということで、治水ということに関して、公共事業をやっていくに当たってはそれなりのきちんとした論理が必要かなというふうに思いました。 ですから、そのあたり、ここで治水のことを話をするときにはきちっと、どのあたりの、どこが、どういう理由で必要だとか、場合によっては必要ないとか、そういうことが話としては重要かなというふうに思いました。 それから、きょうは余り出てこないですけれども、特にシジミばかり出てくるのですが、やはり漁師さんが多いところで、ほかの魚種に関してもいろいろな問題があると思うのですけれども、結局、シジミだけに特化してもいいのかなというふうに先ほど話を聞いていて思いまして、生態系をいろいろいじると変なところに出てきたりするので一概には言えないのかもしれませんけれども、たしか前回、魚種も減ったみたいな話もちょっと出てきたような気がするのですけれども、そのあたりの生態系の問題についても重視していかなければいけないと思いますし、特に今回、利水がなくなったということで、かえって、きょう見ていて、すごく来てよかったな、いいところだなという感じを持ちましたので、こういうものもぜひきちんと残して、かつ、開発が後れた分、その部分をきちんと後世に残して活用してほしいなというふうに思いました。 ◎座長 もう時間がなくなったのでこっちから指名します。工藤先生と三村先生、西田先生にお聞きしたいです。これから環境を含めてこの高瀬川水系の河川整備計画をつくっていく上で、重要な点、必要な点、気づいている点がございましたら、工学的なものだけではなくて、人の心、文化、みんな含めてお願いします。 ◎三村委員 きょう、一回りぐるっとさせていただいて、小川原湖というのがとても豊かな湖であるなということを感じました。 豊かであり、そして生きている湖だということを感じたのですが、その上でのこれからの治水計画ということで、私も本当は素人なのでわからないことだらけなのですが、例えばさっき出てきた放水路の拡幅の問題ですけれども、拡幅してしまうと真ん中のシジミや何かに悪い影響が多いのであるか、あるいは拡幅して水門が多くなって、微妙な調節ができるようになって、むしろよく調節できるようになる可能性もあるのか、そのあたりは私はまるきりわからないので、もしそういうこともわかれば教えていただきたいのですけれども。 あるいは、利水計画がなくなったということで、治水と環境をぜひぜひ強調した計画にしていただきたいなと思っております。 水質のことなどもまたこれから問題になるのかもしれませんが、例えば水道水には利用しなくなったということで、水質に関して関心が薄くならないように。むしろ、水質、あるいはさまざまな生態系のために、よりよいものにするためにどういう努力が必要なのかということを、より一層、真剣に考えていただきたいなと。 これから、それこそずっとこの環境を伝えていくために何が必要なのかということを、私もわからないことだらけなので、いろいろ教えていただきたいなと思っております。 ◎座長 工藤先生、何か気づかれた点がありましたら。 ◎工藤委員 私も何年か前、ここを回ったのですけれども、また見方によって違う小川原湖を見せていただきました。 その中で、今、山下先生も若干御指摘あったのですけれども、生態系の問題と、それから、地元の人が小川原湖をどういうふうな形で利用してらっしゃるのか、これからどういうふうにして利用していきたいのかということの接点を探り、そして、整備計画の中でそれをどう生かすかが大きな論点だと思っています。 そういう意味では、第1回のときに、こういうふうな魚類がいて、こういうふうな生物がいますよという話は若干されたのですけれども、今度はこの懇談会の中に具体的に、植物だとか動物だとか魚類だとかというふうなものを、どういうふうなところにいるのか、それを本当に残さなければならないのか、どういうふうな形での高瀬川の環境を残すかにつながること。それが結局は、きょう何人かに御指摘があったと思いますけれども、湖岸堤の形式もそれに実はつながるわけですね。工事の仕方によっては、かなりそれが影響を及ぼすこともあり得るわけです。 だから、具体的に、こういうふうな植生があり、こういうふうな魚類が生存するために、この地域ではこういうふうな護岸堤の工事にしますと。いわゆる堤防の法尻の問題とかも含めまして、蛇籠の問題も出ていましたけれども、正直言えば、あれは余り僕はそぐわないなと思いました。 ただ、ヨシ、マコモというたぐいが、かなり僕は豊富だと思います。かなりというか、全国でも珍しいぐらいかなと、僕などは思っています。それを本当に全面的に残すのかどうかということも、この懇談会、もしくは河川整備計画の委員会の中でぜひやってほしいなと。 その結果として、僕もあっちこっちで見ていますけれども、ごみの問題がすごく大きい。結果としては水質につながっていくのですけれども、ごみの投棄というのは物すごく多いのです。比較的きれいにされている、いわゆる草を全部刈ってしまっているところには余りごみは投げないのですけれども、ああいうふうなヨシ原等々になれば、むしろごみの投棄が多いと言われるのが一般的。 ですから、きょう、僕、注意深く見ていましたけれども、もちろんごみはありました。缶とかもありましたけれども、ほかの地区に比べたら、正直、少ないなと思いました。だからこれから少なくなるという話ではなくて、では、みんなでこの地帯をずっとヨシ原にしようやという話になれば、維持管理の問題につながっていくのですね。 そういう面では、地元の市町村の方々とお話しになって、いいと思われるヨシ原をどういうふうな形でこれから保全していくか。結果としては、維持管理の問題でも、やはり話し合いをした上でやらなければ、ごみ捨て場になってしまったら何にもならないような気はします。 そういうふうなものも含めて、これから10年、20年、30年を考えた上で論議していければいいなというふうに、僕は思っています。 ◎座長 どうもありがとうございました。 時間も来てしまったのですけれども、西田先生、何かございますか。 ◎西田委員 2つの面から最後に簡単にお話ししたいのですけれども、治水の工学的な話からいったときに、全体をもう一度見直した方がいいのかなという気は、実はしています。 きょう走ってみると、皆さんおわかりのように、余り人家がない。それで、あいている土地がかなり多いですよね。ですから、その辺の遊水地的な機能も含めて、保水、遊水の機能をもう一度見直して、すべてを湖岸堤で固めることのない作業ができないかなというふうに、ちょっと僕は考えています。 大変な話かもしれませんけれども、T.P2.8だったか、湖岸堤で一周ぐるっと回してしまうのではなくて、もう既に遊水地の考えがあるかもしれませんけれども、可能性のあるところはもうちょっと自然の保水、遊水機能を利用できないかなというふうに考えています。 それから、もう1つ、環境の件なのですけれども、小川原湖は多分、リン制限だと思うのですが、トータルのリンが最近、増加傾向にあるのか、僕、とても気になっています。詳細な水質を調べないとわからないと思いますけれども、その辺はちょっと気になっているところです。 下水道の整備によって通常下がってくるはずのものが、リンが増えているというのが気になっているのと、それから、シジミという生態で考えたときに、小川原湖はきれいに見えますけれども、多分、かなり汚れたものが入ってきているはずです。それをシジミが食べてくれて、ぎりぎり保っているのだと思います。 そのシジミの量が、計算すると、何10億だったか、かなりな数、シジミが生息していて、そのシジミが汚れたものを食べてくれて、それで成長して、それを僕らが食べているわけで、小川原湖は決してきれいなわけではなくて、底層部分に行くとヘドロが、1m近くですか、かなりたまっています。上からだと見えないですけれども、しかし、全体の小川原湖の水環境を生態系も含めて今後議論しながら、将来のあるべき姿を追っていく必要があるかなというふうに思っています。 以上です。 ◎座長 どうもありがとうございました。 確かに、私も湖岸堤は湖を一周しなくてもいいのではないかなと見てきました。今までの検討結果を踏まえて、今後、今の点をまたチェックポイントに入れていただけますか。 時間も来たのですけれども、1つだけ、鶴ケ崎さんと澤田さんにお願いします。 澤田さんは七戸川の友の会ということで、市民と一緒にいろいろな川づくりをやっておられます。また、鶴ケ崎さんは、青年会議所で若い人を育てています。川づくりとの関係で何か気づいている点がございましたら、御二方から簡単に一言ずついただきたいのです。 ◎鶴ケ崎委員 きょうの会議で、利水がなくなったということで、ある意味、非常にやりやすいといいますか、いい方向で、環境の保全とか、水質のことですとか、いろいろ協議し合って進めていけるようになったなと思いました。 我々、今年度、高瀬川工事事務所さんの全面的な協力もいただいて、小川原湖でカヌーの全国大会という大会を開催したのですけれども、その趣旨は、行政の枠を越えた、小川原湖を取り囲む4市町村での広域的な連携で、小川原湖を活用して何かやっていきましょうということで、ことしは第1回目のカヌー大会をやらせていただいたのですけれども、その中で連携を組んで小川原湖を大切に活用していこうというのが狙いでございますので、今後も継続的にしていきたいなというふうに考えております。 きょうはいろいろ勉強になりまして、どうもありがとうございました。 ◎座長 親水の面から、湖面活用という点での発言でした。 澤田さん、お願いします。 ◎澤田委員 「たかせがわ恵みの会」の澤田でございます。 先ほど以来、皆さんの意見を伺っておりまして、小川原湖の水位が上昇して、それを放水することによってさまざまな魚介類にも影響を及ぼすというふうなお話を伺いまして、小川原湖の水かさが上がることによって、私ども小川原湖の上流の住民が一旦台風や集中豪雨などが発生すると、河川より水が溢れ、時には堤防の欠壊又、農地・道路等の損壊により、農作物への流出又、冠水による被害は、甚大な損害となり大変な苦労がございます。 そこで、私は、では、これからの小川原湖、高瀬川をどのように整備するのが妥当なのかなと思ったときに、やはり小川原湖に対しての、災害時──集中豪雨とか台風の時点の流入をいかに調整できる施設を整備してもらえるかを考えてもらいたい。そういうふうなことによって、小川原湖周辺の漁民の方々、また小川原湖の上流の住民の方々の、生活の安定を計ることができると思います。このように水の流れが悪いために苦労している小川原湖・高瀬川地域住民のために役立つ整備をお願いしたいと思います。 また、自分も、きょうはこの土地の住民として初めて小川原湖を一周いたしました。本当に皆さんの意見を貴重に考えて、私どもも、坪川の周辺、七戸川周辺、河川のちょっとスペースのあるところは前からごみ捨て場みたいな扱いで苦労しておりましたけれども、最近はそういうふうなのは相当回避されておりますけれども、きょう小川原湖を一周して、ちょっとヨシ、アシなどのスペースがあればごみがあるというふうなことについて、やはりこれからも皆さんと検討の必要があるのではないかなと思いました。 きょうは大変ありがとうございました。 ◎座長 どうもありがとうございました。 それでは、時間ですので、終わってもよろしいでしょうか。どうしてもという方はおられますか。 もう予定の時間を10分過ぎて、ごめんなさい。 きょうは、治水、環境、それから水域、水辺、湖面の利活用の問題などについての意見が出ました。本当にありがとうございました。これで、きょうの議題はすべて終わることにしたいと思います。 あとは、進行は事務局の方にお返しします。 ◎事務局 ありがとうございました。 きょうの皆様の御意見をまとめまして、次回にまた、それに対する回答をしていきたいと考えております。 それから、冒頭言いました、治水計画を、我々の方で今、検討していますので、それも状況を見て、御意見とあわせてお示ししていきたいなというふうに考えております。 ただ、いかんせん非常に難しいものがございまして、実は私ども、今悩んでいるところでして、その辺を、できれば皆様の方にも御相談に乗っていただきたいなと思っております。 それから、きょう、非常に環境がよろしいということで生態系云々の話もございましたので、その辺も、どういった形で出せるかわからないのですけれども、もうちょっと具体的にまた話をしていければなというふうに考えております。 以上です。 |
4.閉 会 |
◎司会 それでは、これで第2回の河川懇談会を終了させていただきます。 ありがとうございました。 |