第一回 高瀬川水系河川懇談会 |
平成14年8月26日 |
1.開 会 |
◎司会 皆様、お忙しい中おいでいただきまして、ありがとうございます。第1回の高瀬川河川懇談会を行いたいと思います。 私、きょうの司会をさせていただきます、高瀬川総合開発工事事務所調査設計課の高橋といいます。どうぞよろしくお願いします。 始まる前に、資料等を確認させていただきます。 お手元に「資料一覧」というのがございます。これによりますと、資料ということで「河川懇談会」、座席表、それからカレンダーがございます。これは、次回開く予定を10月中旬から11月中旬ぐらいに考えておりますので、都合のいい日を書いていただきまして、きょう、あるいは後日、送っていただきたいと思います。 それから、最上川水系河川整備基本方針の資料です。それから、河川分科会中間取りまとめの意見募集というコピーです。それから、パンフレット「事業概要」、14年度の事業概要、「小川原湖の水環境」「新しい河川整備の計画制度について」。それから、皆様の机の上には委嘱状も置かれております。ない場合、事務局の方にお願いいたします。 それから、始める前にお断りしておきますけれども、きょうは立ち上げということで、マスコミの方が入っております。資料の中の次第にございます1「開会」から、5「の設立趣意説明」まではマスコミの方に入っていただきます。6の「議題」になりますと、公開の方法について皆様に御討議していただきます。それに従っていきたいと考えております。よろしいでしょうか。
(「はい」という声あり) ◎司会 それから、きょうは、議事録ということで、速記者と録音が入っております。これも、公開の方法に従っていきたいと思います。非公開ということであれば、それもやめたいと思います。 それから、きょう、私ども初めてでございますので、私どもの写真撮影を行います。これも御容赦願いたいと思います。よろしいでしょうか。
(「はい」という声あり) ◎司会 以上です。 |
2.あ い さ つ |
◎司会 それでは、次第に基づきまして、次、2番の「あいさつ」ということで、高瀬川総合開発工事事務所長よりお願いいたします。 ◎田中所長 所長の田中でございます。日ごろ皆様には、国土交通行政の推進に当たりまして多大な御理解と御協力を賜りまして、まことにありがとうございます。また、本日は、大変忙しい中河川懇談会にお集まりいただきまして、ありがとうございます。 さて、この懇談会は、一級河川であります高瀬川の今後のあるべき整備の方向を示す河川整備基本方針を決めるために、地域を代表される皆様方の御意見をお聞きするために設立したものでございます。 細かな説明は担当の方から申し上げますけれども、私どもは、この懇談会を効率的に進めまして、来年の10月ごろ、この懇談会としての意見を取りまとめたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。あとはパワーポイントの方で説明申し上げます。 (パワーポイント使用)私どもの事業を進める上で1つのよりどころとなっております小川原湖総合開発事業につきまして説明いたしたいと思います。きょうは、その経緯と最近の動向ということで、若干時間をいただきいと思っております。よろしくお願いします。 これは、高瀬川の流域と直轄管理区間を示してございます。青森県の東部に位置しますこの地域は、従来、畜産、畑作などが盛んな地域でありましたけれども、昭和44年に閣議決定されました新全総、すなわち新全国総合開発計画の中で、むつ小川原開発計画が位置づけられております。 そして、そのむつ小川原開発計画は、昭和47年6月に1次の基本計画が策定されております。それと相前後しまして、建設省では、高瀬川を一級河川に指定しております。なお、白地は国土交通省の事柄を書いておりますし、青地は青森県などの事柄を書いております。 昭和53年になりまして、高瀬川総合開発工事事務所が発足したところでございます。更に、小川原湖総合開発事業の基本計画が決定されました。その後、現地におきまして、いろいろな施設の着工、着手が行われたところでございます。そして、平成7年には、小川原湖総合開発事業審議委員会が設置されております。これは、私どもの基本計画が昭和53年にできましてから17年ほど経過したところでございますけれども、その間の社会情勢の変化から、事業の目的や内容を見直すために設置されたものでございます。 次に、この審議委員会の動きについて説明いたします。 平成8年に、事業評価方策を先行的に試行するために、委員16名でスタートしたところでございました。その後、2回の意見をいただているところでございます。1回目は平成8年10月でございます。その内容としては4項目ほどございます。小川原湖淡水化計画の撤回が1点目でございます。これは、当初必要と言われておりました工水が、その後の見直しによって大分少なくなってきて、小川原湖を淡水化する必要がないのではないかというようなことから、このような撤回が言われたところでございます。 2番目は、治水事業の推進でございます。これは、この地域は過去たびたび水害をこうむっておりますことから、治水事業は従来どおり推進すべきということでございます。 3点目は、代替水源の検討の実施でございます。これは1番の小川原湖の淡水化計画の撤回にも関連することでございますけれども、水の需要が単に減少しただけなので、淡水化撤回に代わる代替水源の検討が必要ということで3番目の項目が位置づけられております。さらに、その代替水源を検討するために、その下部に委員会を設置すべきだということも言われております。そして、その年の12月に、地建局長が淡水化撤回などの発表を行っておるところでございます。 そして、2回目の意見でございます。これは平成11年4月になります。 その内容が、ここに書いてあるとおりでございます。3つ書いておりますが、国営潅漑につきましては既得用水の有効利用であるとか、畑地潅漑は別途考慮する。それから、上水、工水につきましては、その代替水源ということで、北方湖沼群及び小坪川上流ダムで対処すべきというような意見を受けております。 それで、現在の状況としては、北方湖沼群というのは、小川原湖の北の方に大きな沼が点在するものですから、それを有効に利用できないかということで、これは青森県の方で調査してまいりました。それから、小坪川上流ダム調査につきましては、方向的には小川原湖の真西になりますけれども、小坪川というのがございまして、そこの上流にダムの調査を行ったところでございます。これは私どもが旧建設省時代から調査を行っておったところでございます。 それから、新河川法に伴う計画の見直しが出てきております。これは、平成9年に河川法が見直しされております。古くは明治29年にスタートしたものでございます。それから、昭和39年になりまして利水という柱が加わり、さらに、平成9年に環境という新たな柱が加わったところでございます。 右下の方に「地域の意見を反映した河川整備の計画制度の導入」と書いてございます。すなわち、私どもの計画をつくる上で、地域の方々の意見をよりよく聞くようにというようなことでございます。つまり、平成9年を境にして計画のつくり方が少し変わってきたわけでございます。そして、平成9年以前の計画でございますけれども、工事をやる前に工事実施基本計画というものをそれぞれの河川でつくります。それは、河川審議会の意見を受けて基本計画というものを決めて、そして工事の実施に当たったところでございます。そして、平成9年以後の新しい河川法では河川整備基本方針と河川整備計画というものをつくらなければならないというようなことになっております。 そして、河川整備基本方針は、最終的に河川審議会──今は社会資本整備審議会と名前が変わっておりますけれども、これらかの意見を受けることにしております。河川整備基本方針のたたき台をつくるときに、河川に関しまして学識経験を有する皆様方からいろいろな意見を伺いたいという事で、今回の懇談会を設立したところでございます。 それから、将来的にはこの河川整備基本方針を受けて地域の意見をいろいろ伺いながら河川整備計画を決定して、将来の河川工事に当たっていくということにしております。 これは小川原湖の写真です。上北町の上空から北東側をのぞいた写真でございます。 これは、河口部から反対側をのぞいた写真でございます。放水路がこの辺を流れております。 以上でございますけれども、よりよい河川整備基本方針とするために、皆さんの忌憚のない意見をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 |
3.委 嘱 状 交 付 |
◎司会 それでは、3「委嘱状交付」ということです。お願いいたします。 ◎田中所長 本来ならば、委員1人1人の前に伺いまして、委嘱状をお持ちしてお願いに上がるところでございましたけれども、時間の制限もありますものですから、失礼とは思いましたが、それぞれの席の前に委嘱状を置かさせていただきました。ひとつよろしくお願いします。 |
4.出 席 者 紹 介 |
◎司会 次に、出席者紹介ですけれども、本日、六ケ所漁協の尾ケ瀬組合長さん、それから大阪大学大学院の西田先生が欠席されております。それから、津曲先生が30分ほど遅れるということでございます。 出席者紹介につきましては、自己紹介でいきたいと思います。まず、小川原湖の出張所長から時計回りでいきますので、よろしくお願いします。 ◎湯川出張所長 高瀬川総合開発工事事務所で小川原湖出張所長をしております湯川です。よろしくお願いいたします。 ◎高橋調査設計課長 同じく、調査設計課長をしております高橋です。よろしくお願いします。 ◎田中所長 所長の田中と申します。よろしく御指導のほどお願いします。 ◎中山副所長 同じく、副所長の中山と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 ◎舘ケ沢工務課長 同じく、工務課長をしています舘ケ沢です。よろしくお願いします。 ◎有馬河川砂防課長補佐 青森県河川砂防課課長補佐の有馬といいます。よろしくお願いします。 ◎荒瀬委員 デーリー東北新聞報道部長の荒瀬と申します。よろしくお願いします。 ◎一戸委員 淋代平土地改良区、一戸でございます。よろしくお願いします。 ◎甲地委員 甲地晴彦と申します。よろしくお願いいたします。 私、肩書きには小川原湖青年の家と書いていますけれども、ここに座っているのは、広報の募集の内容を見て、個人的に川に、それから小川原湖に興味があったものですから、職業柄、小川原湖に非常に興味を持ったということもあるのですけれども、それを発展させて、個人的に興味を持っている中から申し込みをして、そしてここにいるということで、職場とは一切関係なくて、きょうも休暇で来ておりますので、そこら辺、よろしくお願いしたい思います。 東北町に住んでおります。よろしくお願いします。 ◎工藤委員 弘前大学農学生命科学部の工藤と申します。水の使い方を中心に教育、研究をしております。むつ小川原は専門委員会の委員でもありました関係上、声がかかったのかなと思っております。 治水と利水、環境問題を含めた形で流域の方々から意見をいただくというのは新たな河川行政だと僕は思っていまして、傾向としては非常にいい傾向だというふうに思っております。 我々も仕事上、いろいろ水に関することをやっていますが、少しでもお手伝いできればと思ってやってきました。よろしくお願いします。 ◎小原委員 東北町の助役の小原と申します。町長がこの委員になっておりますが、きょう上京中のために代理で出席させていただきましたので、よろしくお願いします。 何かあったらということでございますが、先ほど淡水化につきましては撤回をしたということで、治水計画についてはこれを進めるというようなことを聞いてひとまず安心しているわけでございますが、小川原湖に入る、高瀬川水系と申しますか、うちの方の二級河川が昔から大変氾濫をいたしまして、昭和33年でございますが、台風何号かの、100年に1回来る大型な洪水があって、この実施計画はそれを防ぐと。100年に1回の水害も防げる護岸堤等を築く、あるいは放水路等によって対処するというようなことで、その治水計画をこれまでどおりやるということでございますが、ただ、実際まだまだ完全に進んではいないかと思うのでございまして、あのような100年に1回の台風が来るとまだまだ不安がいっぱいですので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。 ◎佐々木委員 八戸工業大学の佐々木です。学生には河川工学、それから海岸工学を教えています。研究では、水の動きに関連したこの地球上の自然災害の発生機構とその被害の低減化ということで研究をしています。よろしくお願いします。 ◎澤口委員 三沢市漁業協同組合の澤口です。私どもは、この河川ということにかかわりまして、海と河川とのつながりということで非常に関心に持っております。 といいますのは、先ほども小倉さんが言われたように、洪水等が発生しますと、非常に我々、海に影響します。そういったことで、我が方ではホッキ貝の生産が落ちる。あの場所は、どうしても最近、ホッキの生息が少なくなっているということで、いろいろな方面から意見を聞いているところでございます。 そういったことで、こういったのが私どもに何か参考になればと期待しておるところでもございます。よろしくお願いいたします。 ◎澤田委員 「たかせがわ恵みの会」の会長を仰せつかっております澤田清蔵と申します。先ほども事務所長さんからお話がありましたように、私はこの上流の小坪川、天間林村出身で、唯一、今この高瀬川の水資源の恩恵を得ている住民の1人でございます。今後ともひとつよろしくお願い申し上げます。 ◎佐原委員 弘前大学農学生命科学部の佐原と申します。専門は魚類生態学です。県内の淡水魚類の生息環境、生息状況については、ずっと関心があります。 高瀬川、小川原湖の水系といいますと、水辺の国調、そのほかで何回か調査に同行したこともありますし、これはこれとして非常に関心を持っております。よろしくお願いします。 ◎杉沢委員 名前は杉沢重吾と申します。出身は三戸郡の南部町です。 うちの前を馬淵川が流れておって、小さい頃から大変洪水を見てまいったわけですけれども、最後は、私、七戸の養護学校でしたけれども、その前は三本木農業高校で農業土木の方を25年ほど担当していまして、農業水利とかということですので、今回応募したというふうなことでございます。どうぞよろしくお願いします。 ◎冨田委員 三沢市収入役の冨田でございます。本日、委員に予定されておりました鈴木・三沢市長が公務のため、代理出席であります。よろしくお願いいたします。 ◎沼尾委員 上北町助役の沼尾といいます。きょうは竹内町長の代理で参りました。 小川原湖ということで考えますと、私どもの行政守備範囲に入っておりまして、先般は、砂土路川周辺の小さい川もあるのですが、その辺のところでいつも氾濫が出て被害がありまして、その関係で揚水場のポンプの関係で陳情させていただきましたし、つい最近は、新聞にも出ましたけれども、EM菌を活用して何とか小川原湖、あるいは花切川をきれいにできないかということで、それにも取り組んでおります。 高瀬川水系の関係市町村、あるいは関係のある方々と力を合わせながら小川原湖の水の保全というふうなものにも取り組んでいかなければいけないということで、これからいろいろお世話になると思いますが、よろしく御指導のほどお願いいたします。 ◎津曲委員 遅れまして申しわけございません。三沢高校の津曲隆信と申します。 このたび、高瀬川水系の懇談会の委員を引き受けることになりまして、高瀬川の私のフィールドとして、小川原湖、それから仏沼の方で主に鳥を中心に勉強しているのですけれども、そういう関係でこの会議に参加させていただくことになりました。よろしくお願いいたします。 ◎鶴ケ崎委員 社団法人三沢青年会議所理事長の鶴ケ崎と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 私どもは小川原湖を中心に、環境と観光について少なからず取り組まさせていただいているわけですが、今後、委員の皆様とともに勉強させていただきながら頑張ってまいりたいと思います。よろしくお願いします。 ◎沼田委員 小川原湖漁業協同組合から来ました沼田でございます。きょうは、組合長が委員に選ばれておりますが、所用がありまして代理出席ということになっております。よろしくお願いします。 ◎林委員 六ケ所村に在住し、小川原湖でシジミ操業をしております林正一と申します。 自分たちが小さい頃は、小川原湖も相当、水がきれいだと。飲料水にも使われておったようですが、このごろ水質が、場所によっては手を入れるような危険性みたいなものを感ずるように見受けて、水質が相当悪くなっているなという思いをしておりましたところ、六ケ所広報に高瀬川水系の委員の募集がありましたので、自主的に応募して委員に選出させていただきました。今後ともよろしくお願いいたします。 ◎古川委員 六ケ所村長の古川でございます。環境とエネルギー教育などの関係については若干勉強しておりますが、河川行政、あるいは水系等については全く素人でございますので、どうぞよろしくお願いします。 ◎三村委員 三村と申します。肩書きには光星学院八戸短期大学とさせていただきましたけれども、専門が河川に関係することではございませんで、本当に個人的に河川に興味を持っている立場でございます。 先ほどの、佐々木先生が会長をなさっている「青森の川を愛する会」というところで活動などをさせていただいておりますけれども、高瀬川、私なりに興味を持って委員に応募させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。 ◎山下委員 弘前大学人文学部で社会学を教えています山下といいます。社会学の方面から、社会調査で随分、津軽の方を歩いているのですが、こちらの方は余りまだよく知らないということで、むしろ勉強させてもらいに来ているような感じですが、よろしくお願いいたします。 社会学の方ですので、人文社会科学の人間がどういう役に立つのかよくわかりませんけれども、津軽の方では岩木川というのが流れていますけれども、岩木川の方ではここにおられる佐々木先生とか工藤先生とも一緒に少しやってきたことがありますので、そういうことが何かここでも役に立てばなというふうに思っております。よろしくお願いいたします。 ◎山田委員 沼崎土地改良区の山田でございます。これから、ひとつ何かにとよろしくお願い申し上げます。 ◎司会 ありがとうございます。 それから、事務局の方ですけれども、私ども直轄ということで、高瀬川総合開発工事事務所と、県の河川砂防課の方が事務局としております。 |
5.設 立 趣 意 説 明 |
◎司会 それでは、5番の「設立趣意説明」ということで、事務局より説明させていただきます。 ◎事務局 事務局を担当いたします、調査設計課の池田と申します。よろしくお願いします。 それでは、お手元の資料の3ページをごらんいただきたいと思います。読ませていただきます。 高瀬川水系河川懇談会 設立趣旨書
高瀬川の変化に富む自然や景観は、地域の人々に親しまれ、小川原湖を中心として古くから流域内の社会、経済、文化を支え、重要な役割を果たしてきました。特に、高瀬川沿川及び小川原湖周辺の低地は広大な田園を形成し、県下でも有数の穀倉地帯であり、多くの住民の生活の場となっています。また、小川原湖は別名「たからぬま」と称され、豊富な漁業資源を持ち、内水面漁業では全国でも有数の漁獲高を誇り、当地区の基幹産業に大きく貢献してきました。 しかし、高瀬川はたび重なる洪水に見舞われ、当地区へ甚大な被害をもたらしてきたことも事実です。特に昭和33年9月洪水では、死者3名、負傷者17名、建物損壊流出212戸などと未曾有の被害をこうむりました。 高瀬川の治水事業は、昭和7年に青森県により実施されたことに始まります。昭和33年洪水を契機に、昭和37年には放水路工事着手、昭和52年に完成しました。この間、昭和44年、むつ小川原開発の位置づけがなされるなどの社会・経済情勢の変化に対応し、昭和47年には高瀬川水系が一級河川として指定されました。昭和53年3月、高瀬川水系工事実施基本計画、さらに同年12月には小川原湖総合開発事業に関する基本計画が策定され、昭和56年から護岸堤工事、これに伴う樋門・樋管工事、地上げ補償工事等を実施してきました。 一方、豊かで潤いのある質の高い生活や、良好な環境を求める国民ニーズの増大等の最近の動きに的確にこたえるため、平成9年に河川法が改正されました。その目的に、「治水」「利水」のほか、新たに「河川環境の整備と保全」が加えられるとともに、従来の工事実施基本計画に代わり、河川整備の基本となるべき方針を定める河川整備基本方針と、具体的な河川整備を定める河川整備計画を策定し、整備を進めることが示されました。さらに、河川整備計画の案を作成する段階においては、河川の特性と地域の風土、文化などの実情に応じた河川整備を推進するため、河川に関し学識経験を有する者、関係住民、地方公共団体の長の意見を反映する手続が導入されました。 以上のことから、今後策定される河川整備の計画に地域の意見を十分反映させるため、河川に関し学識経験を有する皆様で組織する「高瀬川水系河川懇談会」を設立するものです。 以上です。 ◎司会 これが、設立趣意の説明でございます。 |
6.議 事 |
◎司会 それでは、6の「議題」ということで、規約(案)以降に入っていきたいと思います。 ここで、事務所長の方に司会に替わっていただきます。 1)規 約 (案)
◎田中所長 では、規約について御説明申し上げます。座って失礼させていただきます。 規約を読み上げたいと思います。 高瀬川水系河川懇談会規(案)
第1条(趣 旨) この規約は、「高瀬川水系河川懇談会」(以下、「懇談会」という)の設置に ついて必要な事項を定めるものとする。 第2条(目 的) この懇談会は、河川整備に関して地域の特性を十分反映させるため、河川に対 し学識経験を有する者等の意見を聞くことを目的とする。 第3条(委員の委嘱等) 懇談会の委員は、高瀬川総合開発工事事務所長が委嘱する。 第4条(座 長) 懇談会に座長を置くこととし、委員の互選によりこれを定める。 2 座長は懇談会の運営と進行を総括する。 第5条(運営等) 懇談会は、座長が招集する。 第6条(公 開) 懇談会の公開方法については懇談会で定める。 第7条(事務局) 懇談会の事務局は、国土交通省東北地方整備局高瀬川総合開発工事事務所に置 く。 第8条(雑 則) この規約を定めるもののほか、懇談会の運営に関し必要な事項は、座長が懇談 会に諮って定める。 附則 (施行期日) この規約は、平成14年8月26日から施行する。 以上でございます。よろしくお願いしたいと思います。 2)座長の選出
◎事務局 進め方ですけれども、次、2番の「座長の選出」でございます。 座長の選出の後に休憩をとりたいと思います。そのときに、マスコミの方は、申しわけございませんけれども、公開について話し合いしますので、退席をお願いいたします。よろしいでしょうか。 では、座長の選出をお願いします。 ◎田中所長 座長の選出でございますけれども、今読み上げました規約──4ページでございますけれども、その第4条にございます。もう一度読み上げますと、「懇談会に座長を置くことととし、委員の互選によりこれを定める」ということにしております。 それで、座長の選出ですが、いかがいたしましょうか。 ◎杉沢委員 事務局に一任したいと思いますが。 ◎田中所長 今、事務局一任というお話がありましたけれども、よろしいでしょうか。 (「異議なし」という声あり)
◎司会 それでは、事務局といたしましては、地元の大学で河川工学をされておるということと、青森県内におきまして河川懇談会等を多数行っているということで、佐々木先生を御推薦したいと考えております。 (「異議なし」という声あり)
◎田中所長 では、そういうことで、佐々木先生に座長をお願いすることになりました。 佐々木先生、ひとつよろしくお願いします。 ◎佐々木委員 よろしくお願いします。 ◎司会 それでは、ここで10分ほど休憩をとらせていただきます。その後、3時50分から公開方法等について話を進めていくということで、ここからは座長の方にお願いしたいと思います。 きょうはこの席で進めていきますので、よろしくお願いいたします。 あと、事務局の方のあれですけれども、これまでうちの事務局でいろいろなことを発表しているものを、ここに壁にかけておりますので、もし時間がありましたらごらんいただきたいと思います。 (休 憩)
◎司会 50分になりましたので、再開させていただきたいと思います。 では、座長、お願いいたします。 ◎座長(佐々木委員) それでは、議題を進めていきたいと思います。 最初に、議題の3、4、5、6までです。時間は5時までですね。 では、5時まで、「意見交換」まで進めたいと思います。 3)公 開 方 法
◎座長 最初に、公開方法について決めたいと思います。 公開するか、しないかということですけれども、岩木川水系懇談会がありますけれども、これは公開にしています。何かこれについて御意見ございませんでしょうか。 ◎澤口委員 公開でよろしいのではないでしょうか。 ◎座長 今、公開でいいのではないかという意見がありました。いかがでしょうか。 (「賛成です」という声あり)
◎座長 では、公開でいいということで、よろしいですね。 (「異議なし」という声あり)
◎座長 では、この懇談会は公開ということで進めたいと思います。 ◎事務局 事務局は、よろしいでしょうか。 ◎事務局 はい。 ◎事務局 では、ただいまからマスコミの方に入っていただきます。 それから、公開ということですので、私どもといたしましては、このまま速記者にいてもらいまして、議事録を作成させていただきます。議事録につきましても公開対象となります。ということでよろしいでしょうか。 (「はい」という声あり)
◎事務局 公開ですので、マスコミの方、それから一般の方も入ってくることがあるかと思います。基本的に傍聴ということですので、発言権はなしということになるかと思います。よろしいでしょうか。 ◎小原委員 きょうの場合は公開ということですか。 ◎事務局 いえ、これからずっと公開ということで解釈しておりますが、よろしいでしょうか。 (「異議なし」という声あり)
◎事務局 ありがとうございます。 ◎座長 議事録はどこに置くことになりますか。 ◎事務局 議事録は、私ども事務局でつくりまして、各委員の皆様に一度送付いたします。そして、皆様の発言内容を確認した上で、再度、事務局の方にお返し願いたいと思います。それが最終的な議事録にさせていただきます。 あとは、必要であれば、請求があった場合は公開します。あるいは私どものホームページに掲載して、いつでも、どなたでも見れるようにしたいというふうに考えておりますが。 以上です。 ◎座長 山下先生、岩木川の場合は各市町村に置いて、それで見てもらっているということになっているけれども、どうですか、向こうの方は。こちらはそこまでする必要はないですかね。 ◎山下委員 そのあたりも含めて、今ちょっと気になったのは、これの目的は、河川に対し学識経験を有する者などの意見を聞くことを目的とするということですけれども、ここにおられる方以外の意見を聞くということも別に問題でないというか、むしろ積極的にそういう意見を取り入れていくということを考えればいいのではないかなというふうに思いますので、そういう意味でいうと、各市町村に置くという、ここから外に出すというだけでなくて、流域の意見を取り入れていくということも含めて、もう少し中でいろいろと話をしていけばいいかなというふうに思いますけれども、いかがですか。 ◎座長 今、具体的には考えておられますか。 ◎山下委員 若干ありますが、今話をしてしまうのは、いろいろと言いたいことを言ってしまうかもしれませんので、とりあえずは……。 ◎座長 議事録については、いかがしましょうか。 ◎山下委員 とりあえずは、今言われたように、市町村レベルにも置いてもいいのかなというふうには思います。 ◎座長 市町村の方は、いいですね。 今、高瀬川総合開発事務所の方に議事録を置いておくということですけれども、市町村の人が、どういう話をしていたのかというのを見たいというか、あるいは意見を少し言いたいという方がそれを見たいということであれば、市町村の役場に行って見れるような形にするという点で、いかがでしょうか。 ◎冨田委員 いいと思います。ただ、意見というのは何なのです。一般の人が議事録を見て意見を言った、その意見ということなのですか。 ◎山下委員 今の話は、議事録をどういうふうに公開するかということですよね。私がつけ加えたのは、それ以外にも意見を言えるということも、これからこの中で考えておくべきことなのではないだろうかということです。今ここで具体的にどういうふうにしようとは言いませんけれども、そういうことです。 ついでに、もう1つ、ちょっと始まる前にお聞きしたいのですけれども、広募の委員が今回何名か入られているということで、どなたが公募委員なのか、何人の方々から……。 自己紹介にありましたけれども、どういう人が集まって、どういう形で決められたのかというのを、ちょっと知りたいですけれども。 ◎事務局 すみません。事務局の不手際で、説明するのが遅れました。 今回この懇談会を開く上で、まず委員の方を20数名を考えました。それで、最終的には22名を選ばせていただきました。このうち17名までは、事前に私ども事務局の方で選ばせていただきました。これにつきましては、専門的な知識だとか、地域の方を代表して首長さんだとかを選ばせていただきました。 5名の方につきましては、公募という形でさせていただきました。その手法といたしましては、1つは記者発表。新聞に投げ込みですね。それからもう1つは、各市町村の公報に載せさせていただきました。もう1つは、うちのホームページに載せさせていただきました。それで、皆様に応募してくださいという形でさせていただいて、最終的に5名の方が決まりました。 その5名の方ですけれども、甲地様です。それから、澤田様、杉沢様、林様、三村様。この5名の方が公募で選ばれております。 私どもの趣旨といたしましては、これまでどちらかというと、すべての委員の方を事務局の方で選んで進めてきたのですけれども、それでは不十分だろうということで、今回、公募という形をとらせていただきました。 以上です。 ◎座長 今の答えでよろしいですね。 では、議事録の公開については、市町村の役場にも置いて、流域の住民が見れるようにするということにします。 ◎事務局 市町村の役場といいますと、流域は9市町村あるのですけれども、9市町村の役場ということでよろしいのでしょうか。 ◎座長 はい。 ◎事務局 では、それは、また各役場の方に送付させていただきます。よろしくお願いします。 ◎小原委員 その前に、市町村に送るのはいいのですが、説明できる人がいないのですね。事務局レベルの会議がないものだから。 だから、置くのは問題ないのですが、説明できる人がいなくても、情報提供するだけで、説明は事務局の方へと、こういうようなやり方でよろしいでしょうか。 ◎事務局 1つは、山下先生の方からお話があった、意見をいただくという形がありましたので、事務局あてに、こういう形で意見をという形の用紙を置かさせていただこうかなと思いますが、よろしいでしょうか。 ◎小原委員 はい。 ◎事務局 はい、わかりました。 ◎座長 では、次の議題に進みたいと思います。 4)今 後 の 進 め 方
◎座長 今後の進め方についてです。 では、事務局の方から説明をお願いします。 ◎事務局 資料の5ページをごらんいただきたいと思います。高瀬川水系河川懇談会スケジュールの案です。 まず、第1回の河川懇談会、本日ですけれども、設立のための懇談会です。第2回は14年11月中旬に予定しております。このときには現地調査と意見交換を予定しております。第3回は平成15年5月下旬を予定しています。このときには、高瀬川の現状と課題、将来のあるべき姿について意見交換ということで予定しております。最後は、第4回ですけれども、平成15年10月上旬を予定しております。このときには懇談会としての意見の取りまとめをお願いしたいと思います。 これはあくまでも事務局の案ですので、例えば現地の方をごらんになりたいとか、何かこういうことが知りたいということがありましたら、事務局に相談していただければ、あるいはこの懇談会で諮っていただければ、適宜対応したいと思います。 以上です。 ◎座長 こういうスケジュールで進めるという案です。何か御意見ございますか。 ◎杉沢委員 この委嘱状の期間を見ますというと、15年の3月31日までになっているようですけれども、このスケジュールでは第3回以降はこの期間を過ぎているということなのですが、その辺、どうなのですか。よろしいですか。 ◎事務局 委嘱の方は、年度で一度区切っております。また年度を越してから再度ということでお願いしたいと思います。 といいますのは、役職に委嘱をお願いしている方もいらっしゃいますので、その方は年度が変わってしまうと、転勤ですとかで替わる可能性もありますので、年度で区切っているということで御了解願いたいと思います。 ◎座長 年度で区切っていても、一般の委員には引き続いてお願いするということです。 ただ、代表で来ている方はいろいろ異動があるでしょうから、そこは替わる。そこの変動をうまく入れられるようにということを考えた委嘱状の期限だということです。 ◎杉沢委員 わかりました。 ◎座長 ほかにございませんでしょうか。 ◎工藤委員 今、今後のスケジュールという話が出た。河川懇談会だけのスケジュールをお話しいただいたのですが、その先も、もしよろしければお話しいただきたいなと思っています。 というのは、新しい河川法の改定でこういうふうな委員会をつくったということでしょうけれども、その先には、実は河川整備計画をつくることになるわけですね。それとこの懇談会の位置づけみたいなものを、少しお話しいただければありがたいのですが。 ◎座長 では、今の点、事務局の方からお願いします。 ◎事務局 事務局からお話しします。 今、平成15年の10月ごろまでを河川整備方針ということで、河川整備懇談会ということで考えているということで、それ以降の話ですけれども、16年度末までに河川整備計画も進めていきたいというふうに考えております。 といいますのは、これはまた後ほど第2回という形で話をしていくのですけれども、私ども、流域が余り大きくなくて小さいもので、小川原湖という特色がございますので、3カ年程度が妥当かなというふうに考えております。 よろしいでしょうか。 ◎工藤委員 その場合に、この懇談会とのつながりみたいなものはまるっきりないのですか。 ◎事務局 まだ今は何も考えておりません。 ◎座長 でも、一応、懇談会で出た意見は、計画には基本的に盛られていくことになりますよね。 ◎事務局 はい。意見をいただくということになっておりますので。 ◎工藤委員 河川整備計画は、新たな委員会を構成するということですか。 ◎事務局 その辺も、今のところ事務局としては白紙です。 というのは、今回、公募という形をとらせていただきましたもので、私ども事務局といたしましてもちょっと不確かな部分がございましたので、まだそれ以降のことは、私は余り考えてないのです。実情としてはそうでございます。 ◎座長 ほかにございませんか。 この案は、(案)のまま少し進めた方がいいのではないのかな。事務局の方、どうでしょうか。しばらく、このスケジュール(案)で進めていくということで。 ◎荒瀬委員 今の話を聞いても、この懇談会は多分、諮問委員会ではないので、意見を言います。そうすると、言いっ放しの懇談会なのか。 昔のやり方ですと、例えば審議会みたいなところへ諮問して、その意見を座長さんが取りまとめをして答申するという形が、昔はあった。今度は、フリーな一般の方も入れて議論すると。その議論の結果を取りまとめということになっていますけれども、これは、そうすると、今後の河川整備計画のある一定のものに反映するものなのか。ある意味で、国土交通省側の皆さんがその意見を聞いて、それなりに忖度して計画にどうするのか、そこら辺の拘束力みたいな感じがよく見えないというところなのだろうと思うのですけれども、そこはどうお考えですか。 ◎事務局 私どもは、皆様の意見をいただきまして、それをなるべく組み入れて整備基本方針の中に取り込みたいと考えております。 ただ、やはりいろいろな方の意見がございますので、入るもの、入らないものが出てくると思います。また、我々、治水を行う者として、こうあるべきだろうというものもございますので、それらもきちんとお示しした形で、皆様に見せて確認していきたいなというふうには思っていますけれども。 これからやっていきますもので、どういう形になるかわからないのですけれども、そういう形で、皆さんと会話をしながら、ここはこうなりましたよ、という形で進めていきたいと思っています。 ◎座長 今のは、だから、委員会ではないですから、1つのことを最終的に決めるためにいろいろ資料を出させて審議するということではない。資料を出してもらうのは懇談会でできると思いますけれども、決めるということではない。 ただ、例えば川づくりについて幾つかの方法がある場合、それを1つに絞るということでなく、いい意見であれば、2つ、あるいは3つを並べながら、こういう方向性がいいですよというところまでを審議するということになるかと思います。 ほかにございませんでしょうか。 ◎甲地委員 今の荒瀬さんの意見ですけれども、私もいろいろな意味でびっくりしているのですけれども、懇談会ですから懇談するわけですよね。このスケジュールを見ると、この後2回ほど懇談会があって、そして4回目で意見の取りまとめということ。 回数のことだけで言いますけれども、どの程度のものになるかわかりませんけれども、素人から考えて、たった2回集まっていろいろな話をするわけですから、皆さん立場が違うと思います。私みたいに応募してきた人間はどいういう立場なのか。先ほどの挨拶を聞くと、その立場で大体意見はわかりますよね。 そうすれば、住民の意見を代表して話は聞いたと。それで、事務局ではそれを取りまとめに入ったという形で、来年の10月までのスケジュールが簡単に終わってしまうと、ちょっと物足りないのではないかなという気が私自身はするのですけれども、そこら辺はどうなのでしょう。 それとも、委員の方にいっぱい宿題を出して、がっちり意見を求められると。それもまた困りますけれども、そういう形になるのか。お願いいたします。 ◎事務局 今お話しになったように、立場が違う、あるいはレベルが違うという部分はございます。特に公募の方は、御存じない部分も結構あると思うのです。 先ほど事務局の方でもちょっとお話ししましたけれども、必要であれば我々の方から状況を説明する、あるいは勉強の場を設けるというふうには考えております。それは適宜、事務局の方に言ってくだされば、それでやろうと思っていますので。よろしいでしょうか。 今、我々、この4回というものを示しておりますけれども、やはり我々、行政ですので、ある時間のスパンをお示ししないとまずいので、こういう形でやりますよと、まずお示ししているという状況です。何が何でもこのままやってしまうというふうには我々は考えておりませんで、今考えている時間のスパンはこうですよということです。 今言いましたように、必要であれば皆様の方にその都度説明に上がる、あるいは何名か集まれば勉強会を開くというふうには考えております。 よろしいでしょうか。 ◎工藤委員 わかりました。 ◎座長 このスケジュール案の最後の4回の懇談会のところの右側に書いている「意見のとりまとめ」というのは、いろいろな意見が出て、ではどれがいいでしょうかというまとめでなく、この河川の整備をしていく上で、川をつくっていく上で、親水についてはこういう意見が出ましたとか、いっぱい項目がありますから、そういう項目についてこういう意見が出ましたという形のまとめです。そうですね。 ◎事務局 はい。 ◎座長 ほかにありませんでしょうか。 では、このスケジュール案で進めていきたいと思います。 次の議題に移りたいと思います。 5)高瀬川の概要説明
◎座長 高瀬川の概要の説明ということになっています。では、これは事務局の方からお願いします。 ◎事務局 それでは、小川原湖の概要を、ここにあります「小川原湖の水環境」というパンフレットに基づいて御説明させていただきます。 それで、非常に御存じの方、御存じでない方、あるいは鳥に詳しい方、魚に詳しい方、いろいろあって、私、間違って説明するかもしれません。それは後で教えてください。よろしくお願いします。 これは、今まで我々が調べてきたものを、なるべく詳しく書こうと思ってつくったパンフレットです。そういうことで見ていただければよろしいかと思います。 では、小川原湖の環境についてお話しさせていただきます。 (パワーポイント使用)内容は、小川原湖の諸元ということで、大きさとかです。それから総合開発計画。それから水環境──塩水がどうやって入ってきているかということ。それから、先ほど水が汚なくなっているよというお話がありましたけれども、富栄養化の問題。それから生物の話、それから全国の湖との比較というふうになっております。 これは小川原湖の全景です。御存じのとおり、ここにございまして、流域面積が約800ku。湖の広さが63ku。容量が7億1,400万。最大水深が25m。これは、汽水湖としては深い方です。それから、流域関係市町村ということで9市町村。この中に約8万人の方が住んでおられます。 これは流域。先ほど言いました、約800kuです。湖が63kuございます。高瀬川で太平洋に抜けていっているということです。色が違うのは、例えばこれは七戸川の流域です。ここに降った雨は七戸川を通って小川原湖に入ってきます。この緑のところに入ってきた雨は、砂土路川を通って小川原湖に入ってきます。というふうになっております。 これは現在の小川原湖です。63kuの面積があるということですけれども、これは約5,000年前、縄文の前期ですけれども、その当時、地球の気温は高かかったということで、非常に水位が高かったです。それで、現在の小川原湖の約2倍の面積を持った、湖ではなくて湾になっておりました。それが、3,000年前ごろからまた気温が低下いたしまして、ここの水が大量に抜けていったのと、それから砂丘が発達いたしまして、現在の小川原湖ができています。こういうものを海跡湖と言います。海水が入ってきている汽水湖でもあります。 それで、小川原湖の総合開発計画。先ほど所長もお話をしましたけれども、総合開発計画は大きく治水と利水の2つから成り立っております。これは治水の計画です。小川原湖がございまして、その周りに堤防をつくります。それから、ここに放水路。これは昭和33年の洪水の後に、昭和37年から52年ごろまで80mの放水路をつくっております。それを拡幅して洪水時の湖水を下げるというような計画になっております。 小川原湖は、通常の水位は、0.5mとか0.4mの高さです。それが、昭和33年9月──これは過去に一番大きかった洪水なのですけれども、0.5mから2.8mということで、最大で2.3m上昇しております。未曾有の洪水になり災害が発生しました。計画では、この0.4mとか0.5mから1.7まで上げるよ、そこまでしか上げないよというような今の計画であります。そのためにここに堤防をつくりますよというような計画になっております。 次は利水です。ここに高瀬川がございまして、先ほど言いましたように海水が入ってきているということですので、ここに河口堰をつくって、これを縦に切ったところがこれです。太平洋があって小川原湖があります。河口堰をつくって、湖を淡水化して、この淡水化した水を農業用水、水道用水、工業用水に持っていくという計画でございました。これにつきましては、先ほど述べましたように、淡水化の撤回という形になっております。 これは、太平洋、小川原湖ということで、これを通って、こういう形で海水が入ってくるというふうになっております。 これは小川原湖の全体の水の収支を書いたものです。平成9年のものなのですけれども、これは小川原湖です。先ほど言いましたように、約7億1400m3の容量がございます。そして太平洋ですね。ここに上流から真水が約6億m3入ってきます。高瀬川から約10億出ていっています。逆に海水がこちらに年間約4億入ってきているというような、大きな水の流れになっております。 また、小川原湖は63kuと非常に大きいもので、雨が降ると年間で約4,700万の水が入ってくる、あるいは日が照って約4,000万の水が蒸発しているという、大きな流れがあるということを覚えていただければと思います。 これは、高瀬川のところを縦に切ったところです。こちらが太平洋、小川原湖です。この海水の入ってくる、出ていくのは、潮位と小川原湖の水位で決まっております。太平洋の潮位が高いと、このように高瀬川を通って水が入ってきます。 ここにプランジングポイントというのがあるのですけれども、ここを越えますと、海水は底層密度流となって小川原湖の下の方に入ってきます。今度、こちらの潮位が下がってきますと、小川原湖の方は水位が高いですから、こちらの方にまた出ていくというようなことを繰り返しております。 今度は、小川原湖の一番深いところ。ここのところが約25mございます。ここのところを縦に切ったものがこれです。これは平成6年の夏場です。夏場は3層に分かれています。上の方5mから8mのところが、こういうふうに混合しております。それから、水温躍層ということで、ここで層ができております。一番深いところは塩分密度躍層ということで、塩分の濃いところができ上がっております。これを水温で見ますと、これが水温です。夏場はこれが約25℃り、深いところは約10℃ということで、こういう形になっております。 これは塩化物で塩なのですけれども、表層は約500mg/l、下層は約5,000mg/lということで、海水は濃度的には約1万9,000mg/lから20,000mg/lぐらいの濃度がございます。ですから、一番深いところは海水の約4分の1の濃さの塩分があるということになっています。 これは循環期ということで、冬です。冬、気温が下がってきますと、上のところは混ざってきます。それは、この水温を見てもわかるのですけれども、こういう形で、2℃とか3℃で立っています。下の方は循環がないために10℃ということで、この方は変わっていません。塩化物濃度を見てわかりますように、若干、溶存酸素は下がっていますけれども、この部分は相変わらず残っているというような状態になっております。 それから、富栄養化の問題です。これは最近10カ年のものを、COD、窒素、リン、クロロフィルの順に並べたものなのですけれども、湖のきれい、汚さは、このCODという値で言います。これは薬品で出すものなのですけれども、値が大きければ汚い、小さければきれいという形になります。小川原湖の場合は湖沼のA類型ということで、CODの3mg/lが1つの目安になっています。大体3あたりを行ったり来たりしているというような状況にございます。 それから、窒素。これが窒素です。窒素も、非常にここは多い量になっています。それから、リンは若干増える傾向にあるということで、全体で見ますと富栄養化傾向にあるというのが、この水質のデータから考えられます。 小川原湖には、例えば七戸川、土場川、砂土路川という形で、いろいろな支川が入ってきているわけですけれども、各支川の水質を見ましても、横ばい、あるいは若干上に増える傾向があるということが考えられるかと思います。 これは内沼付近の、ちょっと緑っぽくなっています、アオコということで、植物プランクトンの異常発生です。アオコと呼ばれるのは、植物プランクトンの中でも藍藻類と呼ばれているミクロキスティスとかをいいますけれども、こういうものが発生しています。ここはたまたま小川原湖ですけれども、実態はどうも内沼の方から来ているのかなというような気がしております。 各支川から、さっき言いましたCODとか窒素、リンとかが入ってきているわけですけれども、七戸川の棒グラフが非常に高くなっています。これは何かといいますと、七戸川の流入量が小川原湖に入ってくる水の量の約60%を占めておりますので、当然、その入ってくる負荷量、窒素の量とかリンの量が非常に大きいというのがこれでわかるかと思います。 富栄養化の原因といたしましては、流域下水道整備の後れということで、生活雑排水がそのまま直接、川、あるいは湖に入ってきているということがまず1つ。それから、畜産等による排水流入ということで、ここは非常に畜産が盛んです。例えば牛とか豚が、青森県の飼育の約50%を占めております。それ以外にも畑作が非常に盛んだということで、それの排水流入。それから、さっき言いました、湖の深いところに塩分の濃いところがあると。実はそこはリンも非常に多くたまっています。それが回帰して湖の中に出てくるだろうというふうなことが考えられています。 次に生態の話ですけれども、この辺から私もよくわからないところなので、間違うかもしれませんけれども、よろしくお願いします。 これは小川原湖湖畔ということで、アシが非常によく茂っていて、実はこういうのが非常に望まれていまして、例えば南の方の湖などでは、わざわざつくった護岸を壊してアシを植えているということもございます。 この部分は仏沼に近いところだと思うのですけれども、ここを切ったところです。湖があって、その湖岸ですね。非常に水草も多く、ヨシも生えていて、非常に自然豊かなところです。アサザとかフノグロセンノウがあります。それから、昨年の夏ですけれども、湖の中でマリモが発見されました。これも記者発表しましたので、わかるかと思います。あちらの方にマリモのパネルを貼っておきましたので、もし時間があれば見ていただければと思います。 次は鳥ですけれども、ここ小川原湖周辺には、冬鳥が来たり、あるいは夏鳥が来たり、それから旅鳥が立ち寄ったりして、非常に多くの鳥が見られます。大体180種ぐらいが来ているということです。特にオオセッカの繁殖地でもあるというふうになっております。 これは、小川原湖の食物連鎖、食う食われるの関係を簡単につくったものなのですけれども、植物プランクトンを動物プランクトンが食べる。それを魚たちが食べる、あるいは湖の沈殿物を底生動物のシジミとかが食べているよというものをつくったものです。この絵は大きく見えますね。これは、ワカサギがこんなに大きいのではなくて、ここに占める位置が非常に大きいと。ワカサギやシラウオは、この湖ではこのぐらい大きな位置を占めているよというふうに見ていただければよろしいかと思います。 非常に内水面漁業が盛んであるということで、青森県の漁獲高の約7割をこの小川原湖が占めております。その中身といたしましては、ワカサギ、シラウオ、ヤマトシジミというふうになっております。 これは、全国の湖沼との比較です。ここが小川原湖です。面積の大きい順に並べていきますと、小川原湖は11番目の面積の広さを持っているということです。これは湖の形と大きさを表していますので、そういう形で見ていただければよろしいかと思います。 それから、各湖沼の水質を比較した方がわかりやすいかなと思って、これをつくっております。これは、先ほど言いましたCODという、湖の場合の指標なのですけれども、小川原湖はここに3があります。若干大きいか中間ぐらいかなというようなところにございます。 窒素なのですけれども、これは0.98ということで、非常に大きな値になっています。霞ヶ浦の次になっています。この窒素が何かというと、先ほど言った生活雑排水とか農業排水、畜産排水なのかなというふうに考えています。 それから、リンですけれども、これにつきましては、若干小さい方には入ります。ただ、リンがこれから増えたときにかなり影響を与えるのかなというふうに見られるかと思います。 簡単ですけれども、以上です。 ◎座長 利水、親水については、説明は何か……。 ◎事務局 2回目以降にやっていきたいと思っています。 ◎座長 そうすると、今は、最初に水収支、それから水量の話、水質、生態系、こういう話を紹介されましたね。 ◎事務局 そうです。大きいのは、治水の話、それから利水の話は、この後、事務局の方から資料を提出して御説明したいと思っております。 ◎座長 この後というのは。 ◎事務局 2回目以降です。 ◎座長 わかりました。 今、高瀬川の概要の説明ということで、事務局の方から説明いただきました。あと30分ほど時間があります。意見交換をしていきたいと思います。 6)意 見 交 換
◎座長 先ほど甲地委員の方から、委員会の回数が少ないのではないかという心配がありましたけれども、今の事務局の説明に関係しない話でも構いません。どうぞ、御意見がありましたらお願いします。 ◎山下委員 先ほどの甲地さんの話と同じような話なのかもしれないのですが、これはスケジュール案ということなのであれなのですけれども、意見交換してくれとぱっと言われて、僕は少なくとも困るのですが、逆に言うと、委員の選び方も含めて、どういうカテゴリーの意見を考えておられるのか。 あと、スケジュールに関係してくると思うのですけれども、2回目が現地調査と意見交換ということで、そして3回目が現状と課題と将来ということになっているのですが、ちょっとイメージがつかめないというか、ほかのところでも、先々木先生、こういう感じで大体進むのですか。 僕のイメージとしては、今回は利水についてとか、今回は農業の関係とか、それから今回は環境とか、そういう形で分かれてくれる方が頭の整理がしやすい感じもするし、ここにおられる方にむしろいろいろお話を聞いてみたいなと思う方なのですけれども、このあたりはこの人にもう少しいろいろと自分たちの周りの事情についてしゃべってもらいたいとか、そういうような要求も含めて、もう少し全体の……。 佐々木先生、どういうふうに言ったらいいかわからないのですが、全体のスケジュールの見取り図みたいなものを、もう少しイメージがあればやはり知りたいなということと、それに合わせてそれぞれの心づもりをした方がいいのかなというふうな感じもするのですけれども、いかがでしょう。 ◎座長 先ほどの事務局の説明にありましたように、懇談会の後から、最終的には高瀬川水系の基本計画をつくっていくという話に、もう一回なってしまうのかもしれせんけれどもね。 どうしますか、山下先生。もう一回、事務局の方から説明していただきましょうか。 先ほど説明があったから、必要に応じて説明してもらうことにして、今の意見交換は、あと30分を切りましたけれども、要は、この高瀬川の水系──高瀬川を含めて、支川、流域の市町を流れる川を中心にして、これから20年、30年、あるいは50年という時間のスパンで、どういう川をつくっていったらいいのか、そういう川づくりについて川を中心にした地域づくりについて、方向性のある意見をどんどん出してもらいたいということです。 あるいは、先ほど自己紹介にありましたけれども、水質の話とか、鳥の話もあります。では鳥から見たら我々人間はどうすればいいのかとかという話でもいいし、きょうこの委員会に出席するに当たって、1つや2つ、こういうことを言いたいと思って来られた方もおられると思いますので、そのあたりを紹介していただければと思います。 どなたか、御意見お願いします。あるいは、今の事務局の説明で、何かここについてもう少し説明していただけませんかという話でも構いません。 林さん、先ほど水質の話で、今の事務局の説明だと、右上がりに水質が悪くなっていますよという調査結果が紹介されましたけれども、どういうふうに考えておられます。 ◎林委員 自分たちの子供の頃は生活水にも使用しておったと。自分たちの小中学校がすぐ近くだったものですから、昼休み当時とか放課後、特に暑いときなど、先生に怒られながらも湖に入ったものでした。今は飲料水などというものではないなと言えるのが、やはり工業の影響、あるいは畜産とか、そういうさまざまな家庭からの排水もあるだろうと。そういう環境も、よいように整備しなければいけないことだろうなと思いながらも、自分たちでもなかなかそれに着手できない。 せっかく村長さんも来ておりますので、村当局にも幾らかそういう助成的なことを考えてやってほしいものだなと思えて、特に小魚。内沼の小沼とうちの方ではよく言いますけれども、その奥の方に、以前にはウナギとか、時期的にワカサギの産卵。相当入ったものが、魚が避けるようになったと自分たちでは言っています。それだけ汚染されているのかなと。 それと、工事を付近でやっている会社というのか、そういうところからの排水。つまり、雨が降ったときなどの泥水が相当入って、風の吹くときには色ががらっと変わるのです。そういうあれを、自分たちの地域の方々と話し合いながら、何とかしてもらわなくては困るなと。そこの場所に自分も田んぼなり山を持っていますので、一応、そこの役員をしております。その役員会等にも諮って話はしているのですが、なかなか実態には及ばないというのが現状。 一番困っているのが、そういう影響がシジミに来ると大変なことが起きると。小魚が避けるようになってきたと。今まで長年かけて汚れたものが、今、気がついたからほいと直るとは思いませんが、やはり地域のみんなと、そういう関係者の方々の上流の方から整備しなければならないなと。 ここの中にもちょこっと入れたのですが、下流で直すといっても、これは無理だろうと。やはり上流の方からそういうあれをつくってこなければまずいのではないかなと、こう思っております。 ◎座長 ほかに御意見ございませんでしょうか。 ◎澤口委員 先生方に1つお尋ねします。これは、私の全く勉強不足。 私の常識で言いますと、先ほど説明がございました、深いところに塩分の層があるのだと。我々、海に暮らしている者に考えさせると、塩分があるものが上に来るのではないかというふうな考えを持っているのだけれども、その辺の因果関係は、どうして塩分が底の方にだけ堆積するのですか。 ◎座長 では、私から説明します。 塩分が濃いと、重いのですね。だから、重いのが下に沈んで。淡水は軽いですからその上にのります。 ◎澤口委員 我々の常識では、海水の方がというようなあれがあったのですが。 ◎座長 海水の方が重いですね。比重にすると、淡水で1で、海水で1.025ぐらいです。 ◎澤口委員 ありがとうございます。 ◎座長 ほかにございませんでしょうか。 ◎佐原委員 先ほどの水質の件でちょっと考えたのですけれども、先ほど事務局のお話だと、やはり上流の方の下水道の整備の問題というのが随分大きいような気がしたのですけれども、それがどのぐらいなのかなと。そうすると、その問題というのは、湖よりも、むしろ出どころの上の方をどうするかという問題になってしまうと思うのですけれども、それが1つ。 それから、それに関連ありますけれども、先ほど御説明の中で護岸堤の計画の話をされていました。それは、そういう水質とも関連して、どういう形でどこら辺につくるかというのは非常に気になります。 というのは、水質の浄化ということでは、やはり水草帯の役割は非常に大きいということは随分、最近言われてきているわけですし、それを無視してやってしまった、例えば信州の諏訪湖などというのは、湖の周りはほぼ100%、全部あれは護岸ですね。水草帯がなくなってしまって、そのことが、かつては泳げたらしいのですけれども、今やあんなところで泳ぐ人は誰もいないという湖になってしまった、あの1つの大きな原因だと言われています。 そういうことで、湖岸堤をどこら辺にどういう形で。それと、今ある浅いところで水草が発達したようなところとの位置関係みたいなところはどういうふうに考えたいのか、そこはちょっと気になりました。 ◎座長 湖岸堤の位置ですけれども、お願いします。 ◎事務局 まず、水質の上流の問題ですけれども、まさにそうでございまして、今、流域でわかっているのは、ことし上北町で流域下水道が一部供用されたということと、三沢が多分、一部供用が行われていると思います。 あと、集落排水が行われているというのはわかっているのですけれども、ちょっと私どもでまだ押さえていません。この辺につきましても、上流の問題、あるいは各市町の問題がございますので、私どもでデータを集めてこの委員会にお示ししたいなと思っております。当然、流域全体の問題ですので、まず、それは、そういう流域で考えていく必要があるということが1つです。 それから、湖岸堤をどこにつくるのかということですけれども、既に一部はできております。ここ小川原湖は遠浅ということで陸の方につくっておるのですけれども、その手前の方には、先生心配されています水草とかヨシとかは生えているところもございます。 ということで、その辺につきましても、次回のときに具体的にこういうところだよというのを写真等でお示ししたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。 ◎座長 佐原先生のは、今の土の、何もない自然の湖岸があった場合、その後ろに立てるとか、そういう意味を含めての……。 ◎佐原委員 そのくらいの距離を考えると、水草帯をつぶすような形でつくっては、それこそ水質にもいい影響は出ない、悪い方の影響が出る。 ◎座長 水質浄化によく働いている植生の保全方法ということですね。何かそういう点で工夫しているところがありましたら、次回、紹介をお願いします。 ◎事務局 まずは実態を見ていただきたいと思いますので、その辺をお示しいたします。 ◎座長 それから水質は、各河川からの負荷量が多くなっているけれども、この流域の市町村は下水道整備できるのだろうか。できるのは六ケ所ぐらいではないのかね。あとは財政が厳しくて、できないのではないのかな。そうだとすると、何かほかの方法を出してやるとか、そういう必要はないのかなと思ったのですけれども、いかがでしょうか。 水質の問題でなくて、ほかの問題でもいいです。もう時間も余りありませんけれども、ほかにございませんでしょうか。 ◎工藤委員 水質の話が出ましたので、さっき御説明いただいたのですが、1つは、まず、水質の前に97年の収支の事例が出ていますけれども、これは全部実測ですか。というのが1つ。それから水質も、時期によって変わるのですね。ですから、これをどういうふうな形で調査されて……。多分、平均されたのだと思いますけれども、そこら辺は御説明していただかないと、とり方によっては大分違うのです。 もう1つは、塩分密度の躍層。一番底の話ね。冬場になれば温度が逆転しますね。上の方が低くなりますから。もしそういう時期に測ったらリンなどはかなり高くなるのではないかなと思っていましたけれども、そこら辺は、もしあれでしたら、資料として期別の、例えばこの年度ではこうなっていますよというようなことも出していただいた方がよりおわかりになると思いますけれども、いかがでしょう。 ◎事務局 わかりました。ちなみに、ここのパンフレットに載っています水収支、1997年の例なのですけれども、これは実測と推定の部分がございます。特に、括弧書きしています地下水につきましては誤差が出ていますので、この辺で帳尻合わせをしているような形になっているかと思いますので、その辺は次回お示ししたいと思いますが、よろしいでしょうか。 ◎工藤委員 はい。 ◎事務局 次回というより、もしあれでしたら、資料ができたら、私の方で工藤先生の方に説明に上がるか、あるいは郵送か何かで見ていただいても結構ですが。 ◎工藤委員 もちろんいいですけれども、僕だけでなくて、これはこういうふうな形で調査しましたというものと、これは結果として推定したというものと分けて地下水だけが推定ですかと、僕はお聞きしたかったのです。 というのは、我々としては、水質の浄化の問題。今、佐原先生から植物帯の話もありましたけれども、どのぐらいその水が入れ替わっていくのかというのがあるでしょう。3年に1回替わるものと、1年に何回か使うものというのは違うのですよね。だから、そういうふうな意味合いでちょっとお聞きしたのですけれども。 ◎事務局 先生がおっしゃっているのは回転率の話かと思うのですけれども、この年の例では、容量が7億m3ございまして、流入量が約6億m3入ってきていると。ということで、回転率といたしましては、単純に考えれば1.ちょっとだと思うのです。 ただ、先ほど言いましたように、深い部分では動かない部分もございますので、単純にはいかないなということがまず考えられます。我々はこのパンフレットをつくっておりますけれども、実はまだ発展途上ということで、今わかっているものだけを推定も含めて載せさせていただいております。 ですので、多分こうだろうというのもちょっとございますけれども、そういう感じで見ていただければよろしかなと思っています。 ◎工藤委員 一般のパンフレットは難しい話は要らないのです。小さな文字まで読みませんけれども、こういう委員会でしたら、どういうふうな出どころで、どういうふうなデータですよというデータの質は、御提示いただいた方がいいと思います。 ◎事務局 わかりました。 ◎杉沢委員 さっき聞き逃がしたのですけれども、小川原湖の水を淡水化するのをやめたとの理由ですね。何だったのかなという気がします。 以前は、一生懸命淡水化して、小川原湖の水をポンプアップして灌漑用水に使おうというふうなことだったでしょうけれども、それがやめたというのは、原因は何だったのかなと思っています。 ◎座長 では、もう1回、説明をお願いします。 ◎事務局 一言で言えば、当初、必要な水の需要というのがあったのですけれども、それが大幅に減りましたと。 当初は水の量が大きかったのです。ですので、その多い量に対して、小川原湖を淡水化して持っていきましょうという計画だったのですけれども、工業用水だとか農業用水だと、そういう必要な量が減って、そこまでする必要ないよということで、淡水化までする必要はないということで撤回になっております。 農業用水につきましては、大きな水は奥入瀬川の方から持ってきているのですけれども、そちらの方でうまく使えば間に合うということで、農業用水の方も小川原湖からは要らないよということになっております。 水道用水につきましても、精査していったら量が減ったので、それにつきましては地下水等で足りるということで、そちらの方はもうやめましたというふうになっております。 よろしいでしょうか。 ◎佐原委員 話を前に戻すようですけれども、先ほど林委員の方から水質に関して御発言あったときに、もう1つ、雑排水とは違う種類の水質の話をされましたが、湖の横で工事とかが行われて濁りが入ってしまうということだったでしょうか。ワカサギとかが上がってこなくなると。 それは有機物ではないけれども、だけど、濁りが入ってしまって産卵場がつぶされるというのは、すぐ北の方に尾馼沼がありますよね。あそこはニシンで有名なところですけれども、あそこは以前に比べると漁獲が、ゼロではないけれども、かなりそれに近くなってしまった。産卵場所が、周りの工事をやって泥が入ってしまった。そういうことがあるのであれば、それはそれとしてかなり大きな問題ではないかと。しかも、それは具体的ですよね。どこで、どういうことが、いつごろ行われたと。これは何とかしなくてはいけないのではないかというふうに、私は感じたのですけれどもね。 あちこちの下水道を完備する問題よりも、もっともっと特定の話になってくると思いましたけれども、そのことに関してはいかがなものなのでしょうか。 ◎事務局 まず1つは、私ども、水質汚濁対策連絡協議会というものがございます。こちらのパンフレットにもあるのですけれども、流域の市町村、それから県、うちの方で、水質汚濁に対して監視するとかいろいろな協議をするという組織がございまして、そちらの方でも一応、対応はしておるのですが、やはりすべてを把握できていないというのが実態かと思います。 ◎事務局 小川原湖出張所ですけれども、私の方でもよく、雨が降ったときとかに河川パトロールをやっているのですけれども、今、工事でという話をちょっとされたのですけれども、実際、流域で砂利採取している箇所がかなり多いのです。 それで、河川区域内であればうちの方の許認可事項になってくるのですけれども、ちょっと離れていきますと担当がまた別の方になるものですから、そちらの砂利採取の方については、先日、県の担当課の方に行きまして、濁りが極端にひどいときは連絡くださいというようなことで、連携をとってやろうかなということで、ちょっと今、動いているのですけれども。 うちの方で工事をやる際は、なるたけ濁水を出さないように、汚濁防止マット等を設置して施工するような形をとっているのですけれども。そういう状況です。 ◎座長 ほかにございませんでしょうか。 ◎澤口委員 1つお尋ねいたします。今、排水の関係でいろいろ議論されておりますけれども、小川原湖に畜産排水を出すということになった場合、どこの許可が必要なのでしょうか。おたくの事務所に関係ないでしょうか。事務所に許可申請しなければならないのでしょうか。その辺のことをお知らせいただければと思います。 ◎事務局 河川区域に出てくる場合は、河川法がございまして、日量50m3の場合は届けなければならないという形になっております。 あとは、水濁法がございますので、そちらの方になりますと県の方が窓口になるかと思います。 ◎澤口委員 小川原湖に直に出した場合はどうなのですか。 ◎事務局 それは、先ほど言いました日量50m3の水が入ってくるということであれば、我々の方に届け出をしなければならないという形になります。 ◎澤口委員 わかりました。どうもありがとうございます。 ◎座長 排水量が少なければ県の方の管理になるということですか。 ◎事務局 河川法上はそういうふうになっておるということです。ただ、水濁法では、特定施設とか何とかで日幾ら出すとか、あとは、規模でありますと、工場だとか、そういう規模で縛られるはずですので、そちらの方になるかと思います。 ◎座長 ほかにございますか。 先ほど杉沢委員から淡水化のことで質問あったけれども、小川原湖の淡水化事業はやめて、ダムをつくるという話まで来ていて、きのう、おとといの新聞だと、それも県の方でやめたという話になっています。まだ正式な連絡は国の方には来てないのですか。 ◎事務局 一応、これまで実務的な相談はございました。私どもは新聞を見て「ああ」と思ったのですけれども、きょう、たまたま県の工水の担当部局、むつ小川原振興室の方がおいでですので、ちょっとお話しさせていただきます。 ◎事務局 私、むつ小川原振興室施設担当、工業用水を担当している部署の柳谷と申します。今お話ありました工業用水でございますけれども、先般、一部報道があったようでございますけれども、私どもの方から一言述べさせてもらいたいと思います。 御存じのとおり、むつ小川原工業用水道は、先ほど来も説明していましたけれども、むつ小川原開発の二次基本計画に基づいて、56年から総合開発事業にダムの使用権設定者として参加してきたわけでございます。二次基本計画においては、開発当初の想定しておりました石油シリーズが困難になったということで、平成7年からでございましたけれども、計画の見直しに着手したところでございます。その中で、平成8度に、先ほど来も説明ありましたように、小川原湖の淡水化の撤回ということで、事業そのものの見直しがずっと進められてきておりました。 これらの状況を踏まえまして、工業基地の水の需要につきまして検討した結果でございますけれども、工業基地周辺の水源開発により手当てができると。今後の開発計画にも支障がないとの見通しを得ましたので、このようなことから、むつ小川原工業水道事業を清算するということで、9月の定例議会に提案すべく準備をしているという状況でございます。 いずれにいたしましても、本事業の清算につきましては国及び関係機関の了解が必要ということで、今後、一連の手続を進めていきたいと考えておるところでございます。何とぞ皆様の御理解をよろしくお願いしたいと思います。 以上でございます。 ◎座長 今、環境というのがまた川づくりのキーポイントになっているから、そういう意味からすると、この高瀬川の水系の川づくりも、切る話は少なくなったから、やりやすい方向にはなったのかもしれません。 ただ、先ほど、治水についての不安の声がありましたから、この治水については計画をきちっと持っていかなければいけないと思います。 ほかに御意見ございませんでしょうか。 ◎甲地委員 最後に話を確認しておきたいのですけれども、話をまた戻して設立趣意書の方になってしまうのですけれども、すごく簡単に言うと、我々のこれからの幾つかの懇談の目的というのですか、その内容が、今説明があった水環境──非常に貴重な湖、貴重な河川であると。植物、動物を含めてですね。 そういう意味で、これは私は高瀬川の皆さんのビデオとか本からで学習したのですけれども、この豊かな自然と生物の宝庫の小川原湖を含めた高瀬川水系を、このままの形で、漁業も続けられる、洪水も来ないという、渡り鳥も来るし、できれば今の状況のままで……。 ニシンが少なくなったとか、今の時点で減少した生物等もありますけれども、今残されているこの豊かな自然の状況のままで、はっきり言うと100年先に残すのだというようなとらえ方を私は個人的にしているのですけれども、それでいいのかどうかですね。 この趣意書の下の方に「河川の地域の風土・文化等の実情に応じた河川整備を推進する」というとらえ方が、私はそうとっているのですけれども、それでいいのかという確認をしたいと思います。 それから、もう1つ、治水、利水、環境、私はどれも得意ではないのですけれども、得意なのが精神衛生の方でして、豊かな湖がある、豊かな川が流れているという、川の近くに住む我々の、いわゆる精神的な、心のよりどころというのですか、そういう意味での小川原湖であり、七戸川、高瀬川でありというような意味のとらえ方。観光という意味ではないのですよ。観光という意味ではなくて、豊かな自然が残されて、川が流れているということによる、気持ちへの……。 私は昔の花切川は知らないのですけれども、上北の古い人は言いますね。花切川が豊かな、汽船が通っていた頃の話をよくしますけれども、そういう意味で、最低限、今の状況を残しておくということ。 何年か前、四万十川が大ブレークしましたけれども、水質は違っても、役割は四万十川とほとんど同じ役割をこの川はしているのだという意味でのとらえ方を、私はしているのです。 その中で、水に対する学習、それから郷土愛ですね。郷土に対する愛情を、子供たち、我々自身が育てていくというようなところで、そういうふうな意味での懇談会であってほしいと私は思っているのですけれども、そういう意味でとらえてもよろしいですよねということを確認しておきたいと思います。お願いします。 ◎座長 では、事務局の方、今の点で答えられる部分がありましたら、どうぞ。 ◎事務局 きょうの説明では環境をかなり前に出しましたので、それがかなり重く感じたと思うのですけれども、当然、治水というのがございまして、この趣意書にもございますけれども、非常に未曾有の大洪水があったということで、治水の比重がかなり大きいと思います。 先ほど説明しましたように、治水、利水、環境があるということですので、多分、私は、考え方といたしましては、すべての調和ではないかなとは思っております。 今、世界でいろいろな洪水が発生していますね。例えばヨーロッパの川とか、中国とかですね。ヨーロッパの川は非常にきれいな川なのですけれども、実際問題、あれだけ水位が高くなると、100年とか200年とか、すごい水位だということで、今まできれいだったものがすべてだめになってしまうわけですね。それらも踏まえた形で、私は考えていかなければならないかなと思っています。 いずれにしても、これも次回以降に、治水についてはこうですよ、利水についてはこうですよというのを、先ほど山下先生からも御指摘ありましたけれども、きちんと示して、その場で皆さんの意見を伺いながら進めていきたいと思っています。 ◎座長 今の甲地委員の話ですけれども、流域に住む人というのはいろいろな利害関係がありまして、治水、利水、親水を1カ所でやろうとしたら絶対できないのです。だから、環境の方を大事にしようということを重要視している委員がおられるなら、一心にそういうことを言ってもらえば、どこかで調和がとれるような形で進むのではないかなと思います。 雨も降るし、災害も防がなければいけないし、どこかで何かをやらなければいけない。そのとき、自然環境はこういう環境ですよというのをきちっと踏まえておいて、そこはきちっと残して、そういう特性は残すような形で治水も進めていくということだと思います。そういう皆さんの意見を聞きながら懇談会を進めていきたいと思います。 もう予定の時間を5分過ぎてしまいました。すみません。これで終わりたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 では、きょうはこれで審議の方は終わります。進行は、事務局の方にお返しします。 ◎司会 ありがとうございました。 それでは、所長の方から一言。 ◎田中所長 私の方から、1つお願いということで、よろしくお願いしたいと思います。 部厚いペーパーで、一番最後は17ページと書いてあります、一番上に「お知らせ」とか「河川分科会『中間取りまとめ』の意見募集開始」、こんなものがお手元にあるかと思いますけれども、ちょっとこれを見ていただけますでしょうか。 これは、私ども国土交通省のホームページに出ているものでございます。それで、今回のこの懇談会とは直接関係ありませんけれども、河川分科会の方から今の段階で中間取りまとめというものが出ておりまして、それに対する意見を、我はと思う方があればお聞かせ願いたいということのお願いでございます。 それで、3ページを開いていただきますと、ここに「諮問」と書いてございます。この諮問された内容が、小さい字で書いてありますけれども、「新しい時代における安全で美しい国土づくりのための治水政策のあり方」と書いてございます。 これが諮問の内容でございまして、2ページ目に戻っていただきたいのですが、ここにも小さな字で書いてございますけれども、ことしの4月4日に社会資本整備審議会に先ほどの諮問がなされたことに対しまして、中間取りまとめの結果が出たわけでございます。それが、先ほど申しました「諮問」のところから17ページに延々と文字が書いてございます。これが中間取りまとめの内容なのだそうでございます。そして、これに対する意見を、もし何かあれば、それぞれ考えたいということでございました。 それで、また2ページのところには、意見の募集期間が8月13日から9月17日までということになっているようでございます。その下の方に、意見の出し方みたいなもの、電子メールですとここのアドレスですよとか、ファクですとこの番号ですよというようなことを書いてありまして、いずれ私どもの国土交通省の河川局の方に送っていただければということでございますので、もし意見があるという方はこちらの方に出していただければと思います。 また、このホームページはコピーしたものでございますけれども、一番最初のところにアドレスが書いてございます。ここにアクセスすればこの内容がわかるようになっておりますので、もし意見がある方は出していただければというふうに思います。そのときには、別に私どもの事務所を通すとかということは一切関係ありませんので、よろしくお願いしたいと思います。 この内容につきましては、以上でございます。 |
7.閉 会 |
◎司会 それでは、時間をちょっと超えましたけれども、きょうはこれで終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。 |