北上川の流域は、南北に長い長方形の形をしており、東側に北上山地、西側に奥羽山脈が南北にのびて、その中心を北上川が流れています。 この地形の特徴から、奥羽山脈の山沿いの気候は、冬は雪の多い日本海式気候、夏は内陸的な気候となります。また東側の北上山地は気温が低く、涼しい高原的気候です。北上川沿いの内陸地帯は、一日の気温の差が激しい内陸性気候となり、宮城県側の下流地域は海洋性の気候で、夏涼しく冬は暖かいのが特徴です。
春 展勝地の桜並木(北上市)
夏 北上川ゴムボート川下り(盛岡市)
秋 紅葉の錦秋湖(西和賀町)
冬 北上川に白鳥が飛来(盛岡市)
年間の降水量は北上川流域平均で、1,500o程度で、全国的にみると少ない地域です。季節的には7〜9月に雨が多く、大きな洪水はほとんどこの時期の降雨によります。地域的には、内陸性や海洋性の気候を示す平地、および北上高地で1,000〜1,300o、日本海側の気候を示す奥羽山脈の山間部で1,500〜2,000o以上と、標高の高低や東西の位置により降水量に差があります。西側の山岳地帯は冬季降雪量が多く、流域の水田地帯を豊かに潤すとともに、北上川の安定した流況のもとになっています。