吾妻山の火山噴火では、火口から上空に巻き上がった火山灰の堆積(降灰)や火口から放出される火山ガス、川沿いに流れ下り平野部で氾濫する融雪型火山泥流や降灰後の土石流などが生活に大きな影響を及ぼすと考えられます。
[降灰・火山ガス] 火山灰は、主に火口の風下側に対して広範囲に影響を及ぼします。特に、火山灰を吸い込むことによる呼吸器への影響、農作物や取水(水質汚濁)、交通網への影響、微細な灰粒子によるOA機器への影響などが考えられます。また、火山ガスが大量に放出された場合には、火山灰と同様に、主に火口の風下側で広範囲に影響が出ることがあります。
[融雪型火山泥流・降灰後の土石流] 山に雪が多い時期には、噴火の熱で火口周辺の雪が一気に融解し、川や斜面の土砂や樹木を巻き込みながら大量の泥水が高速で流れ下る融雪型火山泥流が発生しやすくなります。
また、火山灰が山体斜面を広く覆って堆積した場合には、雨水が火山灰によって地面に染み込みにくくなるため一気に渓流沿いに集まり、火山灰や岩塊、樹木などを巻き込んで土石流となって流れ下ります。
融雪型火山泥流や降灰後の土石流が平野部で氾濫した場合、大量の泥水、岩塊や土砂、流木などによって、建物や道路、農作地が破壊されるなど大きな被害が発生すると考えられます。
元のページへ戻る
|