吾妻山の火山噴火緊急減災対策砂防計画では、気象庁による活火山の定義(※1)や検討委員会における学識経験者の意見などを参考として、過去約1万年間程度の吾妻山の噴火履歴を対象としています。
吾妻山で過去約7,000年間に発生した噴火を対象にした理由は、近年の研究論文(※2)で過去約7,000年間の噴火履歴が詳細に把握されたことや、この研究において、地表にできる火口位置は変わることがあるものの、地下からのマグマ供給系は過去約7,000年間で基本的に不変であると考えられていることなどから、過去約1万年間の活動傾向もほぼ同様であると想定しているためです。
なお、今後、過去約1万年間における噴火活動について新しい知見が得られた場合には、必要に応じて噴火シナリオの追加や見直しなども検討していきます。
(※1)気象庁の活火山の定義「概ね 1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」(平成15年,火山噴火予知連絡会による)。
(※2)参考文献:山元 孝広,「福島県,吾妻火山の最近7千年間の噴火史:吾妻−浄土平火山噴出物の層序とマグマ供給系」地質学雑誌,第111巻,第2号,p94−110,2005.
(参考)現在検討を進めている近隣の安達太良山、磐梯山の火山噴火緊急減災対策砂防計画においても吾妻山と同様に、過去約1万年間程度を対象として噴火シナリオを検討することとしています。
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