羽越水害とは
降り続く激しい雨
昭和42年(1967年)8月28日未明、東西に延びる前線は東北地方南部から北陸地方能登半島の北を通り、日本海中部に停滞していた低気圧に達して、いわゆる梅雨末期の気圧配置となり、低気圧が東に進むにつれ、前線は北上し、その活動が活発になりました。このため、28日早朝から降り出した山形県中南部の雨は、前線の動きにつれ、28日夕刻から29日未明にかけて激しさを増し、飯豊・朝日山系を中心とする西置賜地方では未曾有(みぞう)の集中豪雨となりました。
堤防を越える濁流(白鷹町鮎貝) |
氾濫の爪跡(川西町上小松) |
家を失った住民(大江町左沢) |
羽越水害による被害
死者 | 8人 |
負傷者 | 137人 |
流出家屋 | 192戸 |
床上浸水 | 4,120戸 |
床下浸水 | 10,149戸 |
農地などの浸水 | 14,147ha(東京ディズニーランド&東京ディズニーシー約82コ分) 農地などの洪水180ha |
急激に上昇する水位
昭和42年(1967年)8月28日早朝から、ゆっくりと上昇を続けていた各河川の水位は、28日の夕刻から夜半にかけ全川にわたり急激に上昇し、高畠町糠野目、長井市小出観測所などでは、それぞれ28日24時から29日4時までに指定水位(現在の水防団待機水位)を越え、さらに雨足が増すにつれ1時間に30〜60㎝と急上昇し、29日朝までには続々と警戒水位(現在の氾濫注意水位)を突破するに至りました。
等雨量線図 (単位:mm) |
天気図 (単位:hPa) |
県史上空前の大被害をもたらした洪水
最上川上流地区は急激に水位が上昇し、白鷹町の本川左岸で溢水、各支川において堤防の決壊や氾濫が続出して置賜地方から村山地方にかけて、その被害は死者8人、負傷者137人、流出家屋192戸、床上浸水4,120戸、床下浸水10,149戸、農地等への浸水14,147haに達しました。被害総額は約226億3,800万円におよび、県史上空前の大被害をもたらしました。
昭和42年8月28日〜29日洪水波形