江戸時代、最上川舟運と西廻り航路によって山形は上方や江戸と交流がありました。最上紅花や青苧などの特産物を積み出す一方で、山形にも多くの品物や文化が運ばれて来ました。そのひとつが雛です。紅花の集積地として栄えた河北町谷地では、京都からもたらされた享保雛や古今雛、立雛と実に見事な名品の数々が旧家に保存されています。「おひな市(節句市)」が立つ、毎春4月2、3日には、代々引き継がれてきた絢爛たる雛の飾りが惜しみなく公開され、訪れる子供たちには「ひなあられ」や甘酒などが振る舞われます。秋葉神社にある「ひな塚」では、「ひな供養」の神事が執り行われ、人々の間には「雛文化」が大切に受け継がれています。
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