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最上川文化館 > 伝説
大樽川の水の精(米沢市)
 最上川は、福島県境の吾妻山を源とする大樽川と松川が合わさって本流となります。昔、大樽川のほとりに長者がいました。その長者は大変欲張りで倉を七つも持ち、凶作の年も年貢は一切容赦しませんでした。ある凶作の年、村に泥棒の噂が流れ、倉の金が盗まれることを恐れた長者は、金を壷に入れて大樽川の川底にこっそり埋めてしまおうと考えました。壷の数は百にもなり、全部埋めるのに一年かかりました。壷を埋め終わった長者は安心してぽっくり死んでしまいました。それから何百年か経ち、長者の家も滅んでしまいました。あるとき、村の若者が大樽川を通りかかったとき、小さな岩の上に美しい娘が長い黒髪をすいているのが見えました。こんなことが何回も起こるので、怪しんで川底を掘ってみましたが砂ばかりでした。その昔、長者が埋めた金が外に出たいといって女の姿になって現れたのだろうということでしたが、いつかその姿も無くなったといわれています。

参考:『山形の伝説』(山形とんと昔の会編/日本標準発行)
イメージ:大樽川の水の精(米沢市)

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