蛍光灯の明るさ


1.事務室の明るさ
 事務室の机上における照度の規定は次のようになっています。設計段階における目標値である設計照度は、照明技術の進歩と作業形態の変化により、ここ10年で100ルクス(lx)ほど上昇しました。
労働安全衛生規則の規定 : 300ルクス以上

事務室の照度基準 : 300〜700ルクス
 照明環境の快適性に影響を与えるのは照度だけでなく、色温度や均一さなどの各種要素があります。グレアと呼ばれる不快な状態で長時間作業を行うと目に悪い影響を与えます。
グレア
 極端に輝度が高かったり、明暗の差が強すぎたりした場合に生じる「まぶしさ」


2.照明器具の寿命
 蛍光灯は安定器、ソケット、配線、ケース等で構成されていて、主要部品である安定器はJIS規格で平均寿命を累計40,000時間(15年〜20年)程度とされています。

 40W蛍光ランプの定格寿命は約12,000時間ですが、点灯時間の経過とともに管端の黒ずみ、蛍光物質の劣化などで光量が減少します。低下の割合は点灯約2,000時間で86%、終期で約78%まで低下するといわれています。
 ホコリの付着などでも明るさは低下するので、ぞうきんによる清掃も定期に行ってください。汚れの程度にもよりますが、6%程度の照度回復が見込めるとの報告も出ています。

 蛍光ランプを交換した際には管を破損しないように注意してください。管内部には微量ですが水銀が含まれています。また、清掃や交換の際には安全のため、必ずスイッチを切って作業してください。


3.消灯による省エネルギー
設備別エネルギー消費率 右の図は建物で消費するエネルギーを設備別の割合で示したものです。照明によるエネルギー消費は全体の約2割を占めています。

 1日の点灯時間が10時間の場合、昼休みの1時間に消灯することで、建物全体における消費エネルギーの約2%を節約できることになります。
 トイレなどでは人感センサーを用いることにより、人が居ないとき自動的に照明を消すことも可能です。

 ※この記事は印刷版保全ニュース48号に掲載したものを抜粋、編集したものです。

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